「 営業で必要なスキル 」はこうして培われる|歳をとっても必要とされる営業とは?

2019.11.01

 
「 営業で必要なスキル 」とは何でしょうか。どこでも通用する営業と淘汰される営業は何が違うのでしょうか。
 

営業職は非常にやりがいがあり、経験と共に高いビジネススキルが身につく仕事です。

しかし、誰もが着実にスキルを高めていけるとは限りません。
 

経験を重ねるほど役割も給料も上がる人がいる一方で、

毎晩残業して頑張ってる割に大して能力が上がらず、いざ転職しようと思っても市場から評価されない人もいます。

 

営業力がつく仕事、営業力がつきにくい仕事

 
いずれの業界の営業職も等しくモノ・サービスを売る仕事ですが、扱う商材の特徴や日々の仕事の仕方によって、実は大きく営業力に差がつきます。

例えば経理の仕事はどこの会社に行っても大差ありません。

実務経験量にほぼ比例して実力が上がっていきますが、営業職は違います。

 

営業担当者は、どのような仕事をすれば着実に力がつき、将来もっと面白いチャンスをつかめるのか、常に意識しておくべきです。

下表は扱う商材や仕事のスタイルの違いをまとめたものです。

仕事の内容が左側の項目に偏ると力がつきにくく、右側にいくほど経験と能力が磨かれやすい特徴があります。 
 

 

2つの職種「事務用品の法人営業」と「石油化学プラント設備を中東で販売する営業」を比べてみましょう。

 

事務用品の法人営業

 
今は大半がアスクルなどの通販に取って代わられましたが、昔は「事務用品の営業職」がたくさんいました。

売る商品は単純で、特に提案する深い内容もなく、自分で工夫する余地も限られました。

営業する相手は総務の事務担当者で、ライバルよりもたくさん顔を出すことが営業の価値だったりしました。

若いうちから成果を出すのは難しくありませんが、経験を重ねたところであまり能力が高まっていきません。

 

石油化学プラント設備を中東で販売する営業

 
一方、プラント設備の営業は一つの商談の金額が大きく、技術的知識もいる複雑な商材です。

営業する相手も担当者から経営者レベルまで、政府筋との調整なども含めて多数の利害関係者をまとめていかねばなりません。

いくらで受注するか、原価についてもとことん考え抜く必要があります。さらに、受注から納品にいたるまで長期間のフォローも必要です。

このように難易度が高いため、経験年数を重ねるほど能力が高まり、視野も広くなっていきます。

 

両者の比較はやや極端かもしれませんが、自分の仕事が表の右側寄りか左側寄りかを認識しておくことは大切です。

「社内トップセールス」の人であっても、仕事自体が左側寄りなら、実は言うほど力がついていないかもしれません。

もちろん会社の扱う商材やビジネスモデルに影響されるため個人の工夫には限界もありますが、少しでもお客様のために頭を使い、自分で工夫する仕事スタイルに転換していった方がいいということは確かです。

 

営業はクリエイティブで付加価値の高い仕事である

 
営業職は本来、お客様のニーズに合った商品をいかに提供するかという、マーケティングに近い非常にクリエイティブな仕事です。

顧客ニーズに合わない商品を気合で売り込む会社があるため「知力より体力」と誤解されがちですが、本来そうではありません。

最前線として顧客の声を聞き、その声を自社の商品改善に生かしたり、新しい商品開発に繋げていくことができる、とてもやりがいのある仕事です。

そこまで考えて行動できれば、営業は非常に楽しくクリエイティブな仕事になります。

是非世の中がそういう営業職の方で満ち溢れて欲しいものです。

人材が育たない「単純商品の単純営業」はテクノロジーにお任せしましょう。

 

まとめ

 
営業職の将来のキャリアとしてはこのようなことが考えられます。
 

  • 圧倒的な力を持つベテラン営業になる
  • 営業組織を率いる管理職になる
  • マーケティングや商品企画など企画系の仕事に移る
  • 独立する

 
いずれの道に進むにしても、若いうちから実力を高める働き方をしておけば、年齢に関係なく必要とされる人材でいられます。

毎日の仕事、日々の習慣を大切にして、将来も自分を支えるスキルを磨いていきましょう。

 

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筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

「人と組織が強みと言える会社づくり」を支援しています。人事の領域は年々複雑化、高度化していますが、中小企業で実践可能な視点から人材育成や組織づくりのコツを発信しています。 採用、育成、定着化、評価、組織開発、労務などの一連の領域を分断することなく、全体最適の解決策と実行が強みです。

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