言われたことしかできない 「思考停止社員」が発生する5つの原因とその対策

2021.02.25
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「 言われたことしかできない 」人。

あなたの会社にそんな社員(部下)はいませんか?
 

その1

上司:「隣の部署のAさんに顧客データの間違いについて確認しておいて!」

部下(Aさんの所に行き、):『上司から「顧客データの間違いについて確認してほしい」と言われたので確認をお願いします!』

その2

上司:「今度出す新商品の価格を検討したいから、ライバルの価格を調べておいて」

部下: 何社かライバルの類似商品の値段をネットで調べて商品名とともに表にまとめて提出

 
1と2の何が問題か?、お分かりだと思います。

それぞれの部下は言われたことだけを機械的にこなし、付加価値やオリジナリティを付加していません。

いわゆる「思考停止」状態です。
 

上司の立場から考えると、商品価格を比較するのであれば、少なくともライバル商品の特徴、スペック、売れ行き、販売方法なども一緒に調べて比較表にまとめて欲しいですよね。

部下がこのような状態では上司もストレスがたまりますし、何より本人の仕事の能力が上がらず、会社の生産性も上がりません。

今週のブログでは「思考停止社員が生まれる原因と対策」についてお伝えします。

 

元から思考停止の人はいない

 
思考停止社員は元来思考停止だったのではなく、仕事の習慣からいつの間にか思考停止状態に陥っています。

創造的な能力や考える力は人によって差はあるものの、最初からゼロの人はいません。

日々の仕事でいつの間にか創造的な能力を捨ててしまったのです。

 

個人の問題もありますが、責任の大半は会社のマネジメントにあります。

会社のマネジメントが思考停止社員を育て上げたとも言えます。

会社がそうさせてしまったのはなぜでしょうか?

 

言われたことしかできない 社員を生む原因とその対策

 
社員を思考停止にしてしまうマネジメントの問題は主に以下の5つです。
 

仕事の指示の仕方

 
最大の原因は上司による仕事の指示の仕方です。

例えば料理を作る時、アシスタントに「キャベツ切っておいて」、「胡椒とって」、「ボウルを洗っておいて」と五月雨式に指示を出す場面を想像してください。
(アシスタントは何の料理を作るか知らされていません)

このときアシスタントは何も考えず、ただ言われたことだけを行うようになります。

上司の部下への指示においても同じようなケースが見受けられます。
 

「この件、〇〇部に伝えておいて」

「明日の会議の議題をまとめておいて」

「夕方までに営業資料一式を用意しておいて」

 
このようにタスクだけを次々指示されたらでどうでしょうか?
部下は考える余地がほとんどなく、作業としてこなすしかありません。

その部下が総合職として採用され、将来会社の幹部に育っていくことを期待するならば、こういう指示の出し方は絶対にやめましょう。

 
依頼する時には、少なくともその仕事の背景、目的・理由、望むこと、期限など明確な情報を伝えます。

例えば先ほどの「明日の会議の議題をまとめておいて」を依頼するならば、
 

「明日の会議はいつもより時間が短いけど議題が多いんだ。効率よく進めたいから、議論すべき議題を再度見直し、それぞれの議論に要する時間も明記しておいて欲しい。

それから、優先度の高いと思うものから議題を並べてくれるかな。今日の17時までに私のメールに送っておいて」

 
このように伝えれば、部下は何を考えたらよいか、どんな目的の仕事かが分かり、それに沿った対応をすることができます。

 

ここで、こんな反論が聞こえてきそうですね。

 
確かに仰る通りです!
私もそう思います。

そうなってもらわなくては困ります。

しかし最初からそれができる人はほとんどいないのが実態です。そうなるまでには時間がかかります。個人差もあります。

一つ一つの仕事の依頼をしっかり伝えていく中で、徐々に力量がついてくるのです。

 

一方的なコミュニケーション

 
部下が失敗した時や、思うような結果が出ない時に、
 

「君の営業はそもそも話が論理的でないし、お客様の気持ちがつかめていないから成果が出ないんだよ。それを改善するために〇〇をしなさい」

 
このように、一方的に決めつけて対策も与えていませんか?

 
上司の行った原因分析は確かに正しいかもしれません。
しかし、それを最初から言ってしまっては、部下は自分で何も考えなくなります。
 

例えば、業績の芳しくない八百屋を両親から引き継いで経営する場面を想像してみてください。

引き継ぐとなれば、(元の能力に関係なく)誰であっても売れ行きが悪い原因を自分で真剣に考えるはずです。
 

会社員だって本来は同じです。

なぜ本人に結果が出ない原因を考えさせないのでしょうか?
 

「なぜ思うように売れないか自分でじっくり考えてみてください。原因は何だと思いますか?」

 
このように聞くだけでいいのです。時間を与えて待ってあげてください。

考えに考えれば原因がある程度わかり、対策も自分でひねり出します。

上司は焦る気持ちを抑えて、部下とじっくり対話し、よい解決策に辿り着けるよう導くのが仕事です。

 

マニュアルの弊害

 
業務マニュアルは仕事の効率を高め、社員の習熟スピードを早め、誰がやっても均質なサービスが提供できるなどのメリットがあります。

一方で弊害として、マニュアル通りに仕事すればよいと思う社員が出てきて、考えることを放棄します。

マニュアルの有用性は全く異論ありませんが、社員にはマニュアルを常にいいものにブラッシュアップし続けよう! マニュアルにない大事なことに気を配ろう! と言い続ける必要があります。

 

独裁的、権威主義的な企業風土

 
絶大な権力者がいて、「あの人には何を言っても認めてもらえない、反論はすぐにつぶされる」などと社員が思っていたら、社員は思考停止にならざるを得ません。

考えて意見しても聞いてもらえず無駄なので、ただ目の前の仕事をこなすだけになります。

 

前例主義、減点主義

 
前例主義や減点主義も同様です。

新しい試みを拒否されたり、失敗して減点されるくらいなら、誰しも挑戦する意欲を失い、ただそつなく言われた仕事をこなすだけの人材になってしまいます。

 

言われたことしかできない 人の出現を防ぐためには?

 
思考停止していない人は、どんな仕事の仕方をするでしょうか?

指示されていないところに問題を発見したり、与えられた条件そのものを捉え直したり、相手の表情や反応を感知して質問したり、伝え方を工夫したりすることができます。
 

こういう仕事ができるようになるためには、一朝一夕にはいきません。
目の前の仕事一つ一つをどうやったら上手くいくか考え、自分なりに工夫した経験を積み重ねるしかありません。

社員が思考停止に陥ることなく、価値を発揮できるようになるため、部下や周囲の人に対して以下の比率を意識しましょう。


新入社員

 
業務のことを何も知らない状態なので、まずは教えた通りやることからのスタートで構いません。しかし必ず考える要素を入れる。0:100には絶対にならないようにしましょう。
 

例えばテレアポ業務を行う際、まずはマニュアル通りの話し方で電話してもらっていいですが、試してみた後、良かったところ、悪かったところ、改善余地をしっかり振り返る時間をとってください。

「習うより慣れろ」の時期ではありますが、言われた事だけをこなす作業に埋没しないよう注意が必要です。
 

新人時代の仕事の習慣は後々に大きく影響するので、何よりここが大事です。

 

入社5年前後の20代社員

 
入社5年程度になれば、決められた仕事よりも考える仕事の割合が高くなっているべきです。自ら課題を発見し、その解決に向かって自ら知恵と汗をかいてもらいましょう。

上司から言われた仕事を工夫するのは当然ですが、自ら問題を発見し、その改善に取り組んでいくと大きく成長します。

この段階で考える仕事の割合の方が低い状態だと、将来的に管理職や上のポジションに就ける力がつきません。

 

管理職

 
当たり前ではありますが、管理職になれば一部のルーティン業務を除き、ほとんど全てが考える仕事であるべきです。

管理職の仕事は組織目標の達成なので、頭を使って行動して実現するものになります。

 

まとめ

言われたことしかできない

 
思考停止社員は会社の生産性を大きく下げます。

思考停止社員であってもルーティンワークであればある程度こなせますが、これからの時代、オフィスワークで単純作業を行う人はどんどん減っていきます。

思考停止社員の居場所は次第になくなっていくので、会社としても死活問題です。
 

原因の項目でもお伝えしたように、思考停止になる原因は、本人の問題というよりは会社のマネジメントがそうさせてしまっていると言えます。

日々の仕事において思考停止することがないよう、役割の与え方、仕事の渡し方、目標設定、コミュニケーションの仕方、業績評価などの一連のサイクルを整えていきましょう。

 

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筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

中小ベンチャー企業が「人と組織の力を最大化して持続的に発展」できるよう、人材育成・組織開発のコンサルティング、トレーニング、人材育成プログラムなどを提供しています。

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