仕事で考える力が弱い人には、左脳クエスチョンをぶつけよう

2018.11.09
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以前あるお客様でこんなやり取りがありました。

社長:「工場の平均残業時間を月40時間以内に抑えられないか?」

工場長:「いやー、それは非常に難しいですねえ。80時間超えの社員がゴロゴロいますし、今受注が絶好調なので現場はパンパンです・・」

社長:「そうだよなあ。皆必死に頑張ってくれてるから、急に減らせって言われても大変だよな。とはいえ残業規制も厳しくなるし、何とかならんかなあ」

工場長:「社長のご懸念はよくわかります。いい方法がないか考えてみます」

 

それから1ヶ月が経ちました。
特に何も進展はありませんでした。

あなたの会社でもこういうやり取りが起きていませんか?

 

左脳で考える習慣を取り入れ、仕事の考える力を養う

中小企業の問題解決の場面に身をおくたびに感じるのは、とっても右脳寄りの議論が多いことです。

かくいう私も左脳ができるふりをした右脳派なので人のことは言えませんが、ビジネスの意思決定において左脳を使う大事さは体感してきました。

 

先ほどの工場長の回答を振り返ってみましょう。
非常に右脳的です。

「80時間超えの社員がゴロゴロ」
→ ゴロゴロって具体的にどの位?

「現場はパンパン」
→ パンパンってどの程度?

 

実は1ヵ月経って進展がなかったので、社長と相談の上、統計をとってみました。

すると80時間超えの社員は全体の10%でした。
半分弱の社員は残業時間が既に40時間以内でした。

確かに現場に繁忙感(パンパンな感じ)はありましたが、直今3ヶ月の生産量はその前の3ヶ月より少し落ちていました。
営業の受注見込みも今後少しペースが落ちるとのことでした。

 

結果として、社長が目標として言った平均40時間以内は達成不可能な水準ではないことが判明したのです。

 

ここで私がお伝えしたいのは、工場長を批判することではありません。
現場を背負っている責任者がこのように答えるのはごく普通です。

問題の本質は中小企業の課題解決が、このような感覚的なやり取りで進んでしまう場面が非常に多いことです。

それを避けるためにも、社長であるあなたは工場長に左脳的なクエスチョンを与えなければなりません。

 

 

仕事で考える力を伸ばす左脳クエスチョン

冒頭の工場長の発言に対して返した方がいいのは、

「では実際の残業状況をデータでとり、その傾向を教えて下さい。現場の繁忙状況を、受注量・生産量・残業時間の観点から情報を集めて説明して下さい」

というクエスチョンです。

 

普段この手の考える仕事をやっていない工場長は戸惑うでしょう。
別に部下に手伝ってもらっても構いません。

左脳を使って考える習慣をつけるか、本人が苦手だとしても、会社の意思決定において左脳を使って合理的に判断する重要性を理解してもらうべきです。

 

経営者は右脳と左脳を行ったり来たりしながら意思決定する仕事です。

経営者の予備軍である幹部には、右脳議論だけでなく、左脳的意思決定アプローチも学んでもらう必要があります。

 

左脳クエスチョンの事例

様々な会社で典型的にありそうな回答に対して、どのように左脳クエスチョンを投げかけるかの例を出します。

①「君の部署で〇〇の仕事を引き受けてもらえないか?」→「現状すでにメンバー達はいっぱいいっぱいなので、人員を増やさないと受けられません」

②「在庫をもう少し減らして倉庫のスペースも減らせないか?」→「突発的に注文が沢山入ることがあるので、その時あたふたしないように余裕を持っておきたいんです」

③「来年の商品別販売計画を出してくれないか?」→「経済の先行きが不透明で、ライバルの動きも見えないので計画を作るのは難しいです」

 

さて、あなたは①~③に対してどのような左脳クエスチョンをぶつけますか?

 

例えば、このように返してみましょう。
ある程度具体的なタスクをイメージできる返し方が望ましいです。

①に対して:「各メンバーの役割・仕事内容・仕事量・勤怠状況を整理して教えて下さい。現状人員で受ける余地がないか検討してみて下さい」

②に対して:「過去1年の製品別注文量推移および注文量が通常範囲を超えて多かった時の理由などを調べて下さい」

③に対して:「景気はとりあえず今年と横這いと仮定して構いません。お客さんの声をしっかり聞いて、どの商品にどの程度のニーズがありそうかをまとめて下さい。」

 

左脳クエスチョンをぶつけられた方は、最初はすんなりできないかもしれません。

しかし、左脳クエスチョンを与えない限り、常に感覚的な報告や判断しかできない幹部になってしまいます。

左脳クエスチョンをしょっちゅう投げかければ、大抵の人は(スピードの違いはあれど)徐々にそういう思考に慣れていきます。

あなたの会社の大切な幹部達です。根気よく、しつこくぶつけて頂きたいと願います。

 

社員の考える力を養い、左脳に強い会社へ

中小企業の弱点の1つは意思決定の1つ1つが非常に感覚的であることだと常々感じます。

もちろん大企業ほど時間をかけて、練りに練って(練り過ぎて)、意思決定する余裕はありません。

しかし、あと少し時間をかけるだけで、あと少し左脳を使うだけで、もっといい意思決定ができます。
そのかけた時間の何倍もビジネスが加速するはずです。

逆に言うと、左脳に強い中小企業は少数派なので、あなたの会社の社員を鍛え、ぜひ一歩抜きんでた左脳に強い会社を目指して頂きたいと思います。

 

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筆者紹介

竹居淳一
株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

中小ベンチャー企業が「人と組織の力を最大化して持続的に発展」できるよう、人材育成・組織開発のコンサルティング、トレーニング、人材育成プログラムなどを提供しています。

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