働き方改革は次のステップを考える時期にきた

2017.01.05

 

去年は「働き方」に関するニュースを見ない日がないほど、ホットな話題でした。

そこで議論されていたのは、時間と空間のフレキシビリティに関する内容が多かったと思います。
残業削減、勤務形態の柔軟化(出退勤時間の自由度、休日の増加など)、在宅ワーク、これらと関連の深い女性活躍推進などが、多くの企業で検討された1年でした。

今年は、働き方改革の次のステップを見据えた対策を考える時期だと考えます。

次のステップとは、“個々の社員の責任感と能力の向上”です。

残業を減らし、働く時間や空間にフレキシビリティが出るのはとても良い流れですが、
働き方改革により、今までと同じ仕事量をより多人数でこなしては元も子もありません。単に仕事が楽になるだけです。

より少ない時間で同等以上の成果を出す(=生産性を上げる)ために最も重要なのは、私は個々の責任感と能力だと思います。

例えば残業のやり玉に上がる、ダラダラ会議の原因を考えてみましょう。

・会議のホストの事前準備が甘くて議論が深まらず次回に持ち越し

・参加者が事前に何も考えてこず、その場で思いつき発言をするため話が混乱

・AさんとBさんのコミュニケーションが悪く、準備作業がかぶってしまった

・その場で決めるべき人が決めないから、結論先送りで仕事が減らない

・会議進行役のさばきが悪い

などなど。

いずれも根本的原因は個の能力や責任感の問題なんですよね。

仕事の効率を上げるには、自分が何をやるべきかを正しく理解し、やるべき事をちゃんと実行する。
チームメンバー間と密にコミュニケーションをとり役割分担を明確にする。
意思決定するポジションの人は、その場で判断し、不要不急の仕事を捨てていく必要があります。

生産性の向上というと、組織的な業務改善が議論されることが多いですが、
私は何よりも“個の責任感と能力向上”が最もインパクトを持つと思います。

働き方改革は、自由の獲得と個のプロフェッショナリズムが対。1セットです。

今年は働き方のフレキシビリティ議論をすると同時に、
いかに個の能力と責任感を高めていくかをセットで考える年にしたいですね。

 

筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

「人と組織が強みと言える会社づくり」を支援しています。人事の領域は年々複雑化、高度化していますが、中小企業で実践可能な視点から人材育成や組織づくりのコツを発信しています。 採用、育成、定着化、評価、組織開発、労務などの一連の領域を分断することなく、全体最適の解決策と実行が強みです。

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