採用難
採用の募集をかけているものの「応募がほとんど来ない」「狙ったターゲットからの応募が全然来ない」といった問題に直面することがあります。
こうした場合、通常は人事の採用担当者が取引エージェントを増やしたり、求人媒体を変更するといった施策を行いますが、それだけで改善するケースは多くありません。
この状況を打開するためには、当該募集を行っている部署の部長自ら求人票を再考し見直すことが有効です。
求人票を書く部長はあまりいないかもしれません。通常は、人事に任せるか、担当者にお願いすることが多いでしょう。
しかし、その「任せきり」の姿勢と、人事にはできない求人見直しを部長が行わないが故に、採用が好転しないとも言えます。
今週のブログでは、採用を成功させるために、部長自らが求人票を書くべき理由をお伝えします。
「求人を出しても応募が来ない」はマーケティングの問題

求人募集をかけても応募が来ないのは、店頭で商品を販売しているのに一向に売れない状態。
言い換えれば「売れない商品」を店頭に陳列しているのと同じです。
会社が欲しい人材の条件に、市場ニーズ(転職希望者の動態やニーズ)が合致していないのです。
応募者を増やすために、取引エージェントを増やしたり、求人掲載メディアを増やすことで応募が多少増えるケースもあります。しかし、それだけでは抜本的な解決にはなりません。
必要な次の一手は、マーケティングの視点から採用活動そのものを見直すことです。
具体的に見ていきましょう。
カスタマージャーニーが描けているか?

ターゲットとなる人材は、どこでどのようにあなたの会社の求人募集に出会い、求人のどこに興味関心を抱き、さらに応募しようと決断するのか。
その流れを具体的にイメージできているでしょうか。
「大手エージェントに求人を依頼すれば応募が来る」と期待しがちです。
しかし実際は、エージェントは何万社もの企業と取引があり、あなたの会社への応募を増やすべく汗をかいてもらうことはあまり期待できません。
せいぜい転職希望者の会員に対して、本人の希望に近い求人をメールやプッシュ通知で送る程度です。
その中には、当然ながら他の会社の求人も多数記載されています。
そのような状況で、数ある求人の中からどうやってあなたの会社の求人に気づいてもらえるでしょうか?
求人票の見出し(キャッチコピー)は魅力を端的にあらわす表現になっているか
求人はわかりやすく、すらすら読める内容になっているか
仕事内容は具体的で、やりがいや意義、成長機会なども書かれているか
職場の雰囲気などソフト面もイメージしてもらえる内容になっているか など
入社後に、求人に書かれていた内容とギャップなく仕事に入っていけるか?までも見据えて
求人票を考える必要があります。
そもそもターゲット像は市場に存在するか?

上記のカスタマージャーニーの話は、あくまで狙っているターゲットが市場に存在することが前提です。
狙っているターゲットがそもそも市場に存在しなければ、どうあがいても採用できません。
例えば、郊外の駅から徒歩20分で周囲にコンビニもないような場所に、女子学生や若い単身女性向けのアパートを建てても、そこに興味関心を持つ人はほとんどいないと想定されます。
求人も同じです。
20代後半
機械業界の営業経験3年以上必須
転職経験1回まで
高い理解力と行動力
ITリテラシーあり
業界平均並みの待遇
勤務地:大宮
このように条件を積み重ねていくと、そもそも該当する人材が市場にどれだけいるのか疑問です。
応募が来なくても不思議ではありません。
人事採用担当者の多くは、各部署から依頼された求人に対して、基本的に依頼内容をそのままエージェントに渡します。
市場動向や組織の状況を踏まえた上で、各部署に求人票の見直しを提案できる人は少数派です。
だからこそ、部長は人事にお任せではなく、自部署で出す求人のマーケティングを見直す必要があるのです。
見直すべきポイントは、次の2点です。
その求人に該当する人材がそもそも市場に存在するか?
存在するとしたら、その対象者に求人を見てもらうための導線がきちんと描けているか?
採用できない時は「仕事の再設計」が部長の仕事

ターゲットが市場に存在しないとしたら、さらに次のステップです。
あの手この手を尽くしても応募が来ない場合というのは、狙うターゲットが市場に存在しないことを意味しています。
例えるなら、魚のいない釣り堀にずっと糸を垂らしているような状態です。
このままではただ時間が過ぎ去るばかりで、何の解決にもつながりません。
そこで見直すべきは、募集職種の業務の再設計です。
市場ニーズに見合う形に、業務の内容や範囲を組み替える作業が必要です。
高度な業務や希少な経験を求めるほど採用難易度は高まり、採用確率が下がるので、
求めるレベルを緩和して採用の間口を広げるための、業務組み替え作業です。
具体的な組み替えのやり方としては、次のような方法あります。
A業務→B業務→C業務を一気通貫で担っていたやり方を、業務ごとに担当を分ける
業務のうち、一部高度な専門知識を求められる部分を外注する/自動化する
一部在宅でも可能な仕事はリモート対応可とし、出社を週3日とする
残業の発生源となっていた業務を、派遣社員のチームで対応する
業務の大半を自動化し、残った確認業務や細かい作業は事務職採用で対応する
一部の業務を隣の部署で担ってもらうこととし、自部署の業務範囲を狭める
出張の多い仕事を、ほぼ出張せずとも対応できる仕事に転換させる
道具や設備を見直し、女性や高齢者でも対応できる仕事にする
以上のような見直しは、人事部の採用担当者ができることではありません。
業務をよく分かっている現場の責任者だからこそ判断できることです。
部署内の役割分担が大きく変わったり、新たにコストが発生するケースもあるので、部長自ら意思決定することが求められます。
「採用の停滞は機会損失」という危機感を持つことが重要

採用がなかなか進まなくても、それ自体にあまり危機感を持っていない企業もあります。
本来は採用すれば顧客開拓をもっと増やせたかもしれません。
新しいサービスの立ち上げが早められたかもしれません。
それにもかかわらず、採用が進まない状態を放置することは、そうした機会損失を続けていることになります。
採用が思うように進まず、マーケティング観点からの改善を行ってもなお上手くいかない場合、部長は業務の見直しや組み換えに踏み込んでいきましょう。
採用できる求人票に作り替え、一日も早く事業を前に進めることこそ、部長に期待される重要な役割です。
まとめ
採用がうまくいかないとき、求人媒体やエージェントを見直すだけで終わっているケースがありますが、それだけでは解決しないことも少なくありません。
まずは、求める人材が市場に存在するのか、そしてその人材に求人情報がきちんと届く設計になっているのかを見直してみてください。
市場に合わない求人を出し続けても、応募は集まりません。
求人票を人事やエージェント任せにせず、現場を理解している部長自身が、市場に合わせて業務と募集条件を再設計する視点を持つことが重要です。
求人票を自ら書き、仕事の見直しまで踏み込む意思が必要です。
それが採用成功への近道となるでしょう。
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