「うちの社員、会議で全然意見が出てこないんだよね・・・」
なんて嘆いている方、いませんか?
上司が一方的に話すばかりで、社員達は一体分かっているんだか、いないんだか・・・
という状況。これは多くの会社の会議で見られます。
今回のブログでは「なぜ意見が出てこないのか?」という根本部分と、それを解決する方法をお話しします。
目次
なぜ会議で意見が出てこないのか?
会議で社員から意見が出てこない理由は色々あります。
まずは
「自分の意見に自信がない」
「上手く意見をまとめられない」
といったように、能力不足、経験不足などによるものです。
しかし、社員の力量が足りないからといって、上司が一方的に喋っている限り、その状況は1年後も2年後も変わらない可能性が高いです。
違う理由も考えてみましょう。
- 稚拙な意見を言って変な目で見られるのが嫌
- 場の空気をこわしたくない
- 自分の事もちゃんとできていないのに意見する資格がないと思っている
- 言ったところで何も変わらない、言っても無駄だと思っている
- 意見を言っても否定されるだけ
- 上司の意に沿わぬ意見は言えない雰囲気
さて、ここに挙げた理由は本人の力量の問題ではありません。
意見を言えない原因を作っているのは、組織の雰囲気、場の空気、信頼関係や心理的安全性の欠如などです。
会議で意見が出ないときのNG対応
会議で社員から意見が出てこない時、こんな対応はしていませんか?
- 意見がないやつは会議に出なくていい!
- 会議で意見を出さないやつは昇格させない!
- 意見が出ないのは、そもそも仕事の意欲が足りないからだ!
- 意見が出ないのは能力の問題だから、どうしようもない
これでは残念ながら社員は育ちません。
本人の力量の問題は当然努力してもらわなければなりませんが、意見が出ない理由の大半は場の雰囲気や関係性の問題です。
まずはその問題を解消することが先決です。
会議で意見が出てくる方法
ではどんな方法なら解決できるでしょうか?
何か特別な会議や仕掛けをやる必要はありません。
ちょっとした工夫やテクニックから始めてみましょう。
社員の意見を聞こうとするあなたの態度
最初の一歩はあなたのスタンスからです。
「社員の意見をしっかり聞こう、意見を言ってもらおう」と本気で思うことです。
したがって、社員からあなたより良い意見が出てくることを期待してはいけません。
どんな意見であれ、社員に考えさせ、意見を言う経験を積ませることが先決。
人材育成の場だと割り切りましょう。
訓練を重ねていくうちに、だんだんいい意見、自主的な発言が増えてきます。
挙手に頼らずに当てていく
自分から発言するのをためらう人もいるので、意見を持っていそうな人、目の合った人を当てて、意見を引き出してみましょう。
その時のあなたは上司というより、会議のファシリテーター役。
バラエティー番組で絶妙な振りをするMCに近いイメージです。
ちなみに私の経験上、適当に当てると予想以上にいい意見が出てくるものです。
「そんないい意見があるなら最初から挙手してよ~」と思ってしまいますが、それはそれとして、いい意見を引き出せたことに満足しましょう。
順番に意見を言わせるのも時には有効
挙手するのは苦手でも、「時計回りに順番に意見をどうぞ」とすれば、皆自分の意見を絞り出します。
やや強制する感があるので多用すべき手法ではありませんが、あえて全員に意見を言わせることで色々な角度の見方が得られ、理解が深まります。
表情・言い方・態度を柔らかく
お堅い会議に出ると、シーンとした場で司会者が「何か意見のある人は挙手をお願いします!」・・
こういったシチュエーションは意見が言いづらいですよね。。
同様に社長が事業方針を一通り説明した後、「感想・意見をお願いします!」と言ったとしても、やはり手を挙げづらいです。
そんな時は少し言い方を変えてみませんか。
難しい顔をやめて柔らかい表情で、
「大事な話だからどんな細かいことでも遠慮しないで聞いていいよ。分からなかった言葉とか、理解できなかったところはある?」
「今の話で自分の仕事にどんな影響が出そうかな?」
などと言ってみましょう。
社長自ら立ち上がって社員の後ろにまわり、誰かの肩に手を掛けながら笑顔で
「どう? 私が伝えたいことは伝わった?」
「君の部署は開発だから、開発スピードの観点でどんな影響があるかな?」
なんて問いかけるのも場が和みますね。
まとめ
いくつかテクニックも含めて社員の意見を引き出す方法をお伝えしましたが、根本的に改善していかねばならないのは場の雰囲気や関係性です。
「意見を言いづらい」「言うと怒られる」「言っても何も変わらない・・・」
と社員が思っている場合、根本原因を直す必要があります。
この根本原因には、会議に参加している一番偉い人のマネジメントスタイルが大きく影響しています。
しかも偉い人の中には仕事のスタイルが固まってしまい、過去のやり方を変えられない人がいます。
今の時代は上意下達のマネジメントからコーチング手法を取り入れたマネジメントに変化していく必要がありますが、それについていけない人もいます。
しかし社長が「過去のスタイル」を許容してしまったら、下の人材が育ってきません。
上の立場の人には率先して変わってもらいましょう。
幹部/管理職層の考え方、仕事のスタイル、コミュニケーションスキルなどを粘り強く改善していっていただきたいと思います。
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