理想のリーダー 像はひとつではない|SL理論で成長段階に応じたリーダーシップを

2022.03.03
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理想のリーダー 」とはどんな人のことでしょうか。

まず、リーダーシップには様々なスタイルがあります。
 

  • 強い統率力で引っ張る統率型
  • 現場が力を発揮しやすいよう下から支えるサーバント型
  • リーダーが全て細かく指示する指示命令型
  • 皆の意見を尊重しながら進める民主型
  • フォロワーに任せる放任型 など

 
どのリーダーシップスタイルをとるかはリーダーの個性や会社の歴史によって様々ですが、闇雲にそのスタイルを貫けばいいというものではありません。

実は、リーダーシップには会社の成長ステージ(発展段階)に応じた望ましいスタイルがあり、組織が成長する過程で段階的に変容させていく必要があります。
 

今週のブログでは、会社の発展段階に応じたリーダーシップのあり方についてお伝えします。

 

会社の業績の20%はリーダーシップに影響される

 
会社の業績はどのような要素で決まるでしょうか?

市場環境、商品力、価格、営業力、ライバル企業の動き・・・それだけでしょうか?
 

コーン・フェリー・ヘイグループの調査によると、一般的に、組織風土と業績の間には30%程度の相関があり、組織風土とリーダーシップスタイルには50-75%程度の高い相関があることが分かっています。

 
つまりリーダーシップのあり方によって、会社の業績は20%程度の影響を受けるということです。
 

会社の業績の20%はリーダーシップに影響される

 

優れたリーダーシップであれば売上を20%伸ばせる可能性があり、悪いリーダーシップだと20%減らす恐れがあるとも言い換えられます。
 

では優れたリーダーシップとはどういうものでしょうか?

 

青山学院大学 陸上競技部・原監督のリーダーシップ

青山学院大学 駅伝部・原監督のリーダーシップ

 
今年の正月の箱根駅伝で2年ぶり6度目の優勝を果たした青山学院大学。

他校を寄せ付けない圧倒的な強さを見せました。
 

そんな青山学院大が箱根駅伝で初優勝したのは2015年です。

原晋氏が監督に就任したのは2004年なので、初優勝するまでに10年ほどの歳月を費やしました。

その原監督がここに至るまでのリーダーシップの変遷について、非常に興味深いことを仰っています。
 

組織の成長には4つのステージがあります。チームの成熟度によって、監督と選手の関係性や接し方を変える必要があります。
 

最初は指導者が命令して意のままに動かす君臨型です。土台を築くために細かく教え込む。

次に監督がいくつかのグループの代表に指示を出しメンバーに伝えていく指示型になります。

定着したら、監督が方向性を伝えて部員が一緒に考えるステージ3に移行します。

最後は監督がサポート役に徹して選手の自主性とチームの自立を促すサーバント型です。

 
当然、監督1年目と今では、指導方法やコミュニケーションの取り方が全く違います。
 

2020.4.30 日本経済新聞

 

青学の駅伝が弱かった初期は原監督が厳しい鬼軍曹として君臨し、全て命令によって動かしていました。(ステージ1)

徐々にリーダー的存在を育て、彼らを経由して指示を出すようにしました。(ステージ2)

ステージ2までは部員達は自分で考える余地が少なく、指示に従って行動しています。

ステージ3に移行すると、部員達一人一人が何をすべきか自分でも考えるようになります。

ステージ4では、基本的に指示は出さず部員達が自主的に動くのを監督が支えるスタイルに変容しました。
 

初期の青学大は全て原監督次第でしたが、今の青学大は、仮に原監督がいなくても良い結果を残せるほど組織が強くなったと言えます。

 

リーダーシップの段階 SL理論

 
1977年にポール・ハーシィ(P.Hersey)とケネス・ブランチャード(K.H.Blanchard) によって提唱されたSL理論というものがあります。

※SLとはSituational Leadership(リーダーシップ条件適応理論)の略

 
リーダーシップは状況によって役割を変える必要があり、具体的には「部下の習熟度」によって役割を変えるというものです。

役割の変化は下図のようなステップで進んでいきます。
 

SL理論

 

部下の習熟度が低い場合は、右下のマスの「S1」リーダーシップから始まります。部下の習熟度が上がるに連れて → S2 → S3 → S4 へと移行していきます。
 

S1「教示的」 事細かに指示 (メンバーを厳しく監督)

S2「説得的」 指示多め(メンバーに一定の裁量を与える)

S3「参加的」 指示少なめ(メンバーが自律的に動くのをサポート)

S4「委任的」 指示はほぼなし(メンバーに任せる)

 
青学大の原監督のリーダーシップスタイルの変遷が、SL理論の考え方に非常に近いことにお気づきかと思います。
 

 
仮に原監督のリーダーシップがずっとS1の「教示的」段階に留まっていたとしたら、ここまで勝ち続けるチーム、選手層の分厚いチームはできなかったのではないでしょうか。

何より原監督は、大学駅伝で燃え尽きる選手ではなく卒業後も活躍できる選手を育てようとしています。
だからこそ監督に依存するのではなく、自律的に考えて行動できる人材育成を目指しているのでしょう。

 
原監督のリーダーシップの考え方は企業の人材育成にとっても非常に有用な考え方です。
 

長期的に活躍する人材を育てるには、リーダーシップスタイルを段階的に発展させ、自律的に動く人材を増やしていかねばなりません。

 

まとめ

理想のリーダー

 
あなたの会社のリーダーシップスタイルはどのような特徴がありますか?

優秀な人材が限られる中小企業やまだ組織ができ上がっていない企業では、リーダーが統率し、仕事のやり方を事細かに教えていかざるを得ません。

しかしその段階に留まっている限り、「自ら考えて動ける人材」はいつまでも育たず、組織は大きくなれません。

 
会社はリーダークラスを1人、また1人と育て、彼ら経由で組織を束ねる状態をつくり、さらに自分の指示を減らしながら社員が自ら考える機会を増やしていく必要があります。

指示待ち人間の組織から自ら考え行動できる組織へ移行していくには、組織の発展段階に応じたリーダーシップのあり方を見つめ直してみましょう。

 

 

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筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

中小ベンチャー企業が「人と組織の力を最大化して持続的に発展」できるよう、戦略人事アドバイザー、幹部/管理職育成、組織開発、人事制度づくりなどを行っています。

筆者プロフィール詳細