副業人材、フリーランスの活用戦略|企業の成長を加速させる人材ポートフォリオ

2021.02.18
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近年、社員の副業を解禁する会社が続々と増え、副業人材を活用する会社も増えてきました。

健康機器メーカーのタニタさんで話題になったように、専門性の高い社員が会社との雇用関係を解消し、個人事業主として業務委託の契約関係で働く例も出ています。

専門能力の高い人材がフリーランスとして働いたり、経験豊かなシニア人材が定年後に顧問の立場で活躍する事例も身近にたくさん聞くようになりました。

あなたの会社ではこのような人材の活用は進んでいますか?
 

今週のブログは、この変化の波をとらえ、新たな形態の人材活用を成長戦略にどのように活かしていくべきか? というテーマです。

 

これまでの人材活用形態

あなたの会社ではどのような人材が働いているでしょうか。

5年ほど前までは、正社員を核として、定型業務・単純業務等はパート・アルバイトや派遣社員を活用して補ってきました。
これには人件費を引き下げ、固定費を変動費化する狙いがありました。

特定分野の専門的能力を必要とする場合は、コンサルタント、士業、広告会社などに外注して乗り切っていました。

 

副業人材、フリーランスをフル活用する時代へ

近年は新しい働き方がどんどん広がっています。

代表的な人材活用法を3つ紹介します。
 

業務委託社員

企業の正社員が双方合意の上で雇用契約を解除して個人事業主となり、会社と業務委託契約を交わし、従来業務を継続するもの。
雇用契約ではないので仕事を打ち切られるリスクはあるが、自分の専門業務に特化でき、働き方の自由度が高いメリットもある。
マーケティング、情報システム、企画、、法務、エンジニアなど専門性の高い職が多い。
 

顧問、フリーランス

専門能力を武器に個人事業主として複数の会社の業務を請け負う。
契約形態は顧問契約や業務委託契約。
マーケティング、広報、営業、経営企画、エンジニアなどの職種が多い。
退職したシニア層で専門能力を生かし顧問として働く人も増加中。
仲介会社を挟んだ場合、企業側の負担費用は週1回勤務で月間50万円程度
 

副業

本業と並行して別の会社の業務を手伝う。
夜や週末の空いてる時間を活用し、お金目的より、社外で通用するか腕試ししたいニーズが強い。
業務委託契約が中心で、企業側の負担費用は月1~2回の稼働で月5~10万円程度。

 

新しい働き方の活用と、従来型の人材活用について、それぞれがどのような仕事に適しているかをまとめてみました。
 

 
新たな人材活用の特徴は専門性の広さと深さです。

専門領域の知見を深め、さらに社内業務だけに特化せず複数の会社のケースを経験している広さがあります。

正社員は様々な仕事を経験している反面、専門性が浅い人が多いので、新たな人材活用手段は心強い存在です。
コンサルティング会社等に比べてリーズナブルな点もいいですね。

最近は、顧問やフリーランスに、社員の業務管理を一部お願いする場合もある位なので、管理職の役割を正社員以外に担わせる選択肢もあります。

 

副業人材、フリーランスの活用事例

 
インテリアグッズを扱っているある小売業は、新たな人材活用を積極的に進めました。

既存社員には仕入れ、店舗運営、販売、物流などに強い人材がいましたが、事業拡大に必要なノウハウは外部人材を徹底活用しました。

以下、3つの活用事例を紹介します。
 

販売、仕入れ、物流などをつなぐSCMシステム開発での活用

SCMシステムの開発経験がある元コンサルタントで現在フリーランスの人を週2日稼働で契約し、外部のシステム会社を使って開発を進めました。

フリーランスの人材が社長と適宜打合せしながら、システムの開発構想、外部のシステム会社のマネジメントを行い、プロジェクトを進めていきました。
 

ネット販売のサイト開発~web集客での活用

ネット販売を始めるにあたり、顧問仲介の会社を通じてネットショッピングのサイト立上げや楽天、amazonへの出店経験も豊富なエンジニアと契約し、自社販売サイトの開発を進めました。

サイトオープン以降は、webマーケティングのプロとも契約し、週1~2日程度の稼働で自社の担当者とともに広告効果検証などを進めました。担当者を育てる役割も担ってもらいました。
 

人事制度見直しでの活用

社員の増加や事業領域の変化に伴い人事制度を見直す必要がありました。

基礎となる元の制度はあったので、それをベースにしながら必要な見直しをかけていく仕事。

副業サイトに求人募集を出したところ、多数の応募があり、その中から人事制度設計経験があるサービス業勤務の人と契約しました。

月に1回じっくり打合せ、もう1回はweb打合せのペースでアドバイスをもらい、あとは人事部長とメールでやり取りしながら進めていきました。

 

以上3つの事例では、外部のプロフェッショナルを一定期間活用することで、社内にノウハウがない業務を一気に立上げることができました。
将来的に正社員で対応すべき仕事であっても、すぐには正社員の採用が難しいので補完手段ともなりました。

なおプロフェッショナルとの契約はプロジェクト完了後終了するので、雇用のリスクを負わず、必要な人材を必要な期間だけ活用できるメリットがありました。

 

正規雇用と外部人材活用の境界が曖昧に

新たな人材活用のメリットについて述べてきましたが、改めて正社員の価値は何でしょうか?

ビフォーコロナの正社員は、会社から与えられた仕事は何でもこなし、転勤命令が出れば選択の余地なく異動していました。

しかしコロナ禍を通じて出社義務が全部または一部軽減され、ジョブ型雇用も議論される中、会社が雇うべき正社員はどのような人でしょうか?

こちらの比較表をご覧ください。

 
正社員の特徴および価値を外部人材と比較してみると、正社員の優位性は人事異動や転勤を受け入れ、多岐にわたる業務をカバーし、突発的なことがあれば残業も厭わず献身的に対応する所にあります。

しかし今後ジョブ型雇用が進み、担当する業務が限定され、転勤も受け入れなくなると、これまでの正社員の強みの大半は消滅します。業務委託社員とほぼ変わりません。

まして正社員は専門性が高くないとしたら、今後正社員を雇用するメリットは何か?という議論になりかねません。

 

それでも正社員が大事な理由

新型コロナウイルスの感染拡大は、人の働き方や雇用関係のあり方に大きな変化をもたらす歴史的転換点になりそうです。

この状況下では、外部人材の活用は企業の発展を加速させる大きな助けとなります。
これを使わない手はありません。

以前であれば「うちの社員にそんな事できる人はいないからなあ・・・」と言ってあきらめていた業務が、外部人材の活用で高速立上げすることができます。

 
一方で正社員の価値も改めて考え直す必要があります。

私はいわゆる“総合職”として、多くの業務を経験し、マネジメントのプロとして会社の幹部に育っていく人材は今後も必要だと思います。

会社の成長に応じてその時必要な業務を率先して担う人材はコア中のコア人材であり、この役割は外部には依頼できません。

特に事業や組織の変化が早い会社では、その時々の状況に応じて柔軟に動ける社員が支えとなります。
 

ジョブ型雇用の良し悪しはここでは取り上げませんが、ジョブを限定しない従来型の“総合職”社員の価値も再認識する必要があると思います。

もしジョブを限定し、転勤なども受けない社員を増やすならば、当該社員には必ず何らかの領域で圧倒的なプロフェッショナルになってもらうよう、導いていくべきでしょう。

 

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筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

中小ベンチャー企業が「人と組織の力を最大化して持続的に発展」できるよう、人材育成・組織開発のコンサルティング、トレーニング、人材育成プログラムなどを提供しています。

筆者プロフィール詳細