2018年 人・組織・経営の新たな胎動

2018.12.27
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2018年、今年も色んなニュースがありましたね。
あなたの会社の10大ニュースは何でしたか?

今回は2018年最後のブログということで、
今年感じた「人・組織・経営をめぐる変化の胎動や可能性」について、徒然なるままに書かせて頂きます。

今年売れたビジネス書

最初に余談ですみませんが、amazonの「ビジネス書大賞2018」が発表されました。

大 賞: 『SHOE DOG』フィル・ナイト

準大賞: 『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』 山口 周

準大賞: 『隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』 ルトガー・ブレグマン

審査員特別賞: 『お金2.0 新しい経済のルールと生き方 』 佐藤 航陽

その他、ノミネートされた本は、

『漫画 君たちはどう生きるか』吉野源三郎

『革命のファンファーレ ~現代のお金と広告』西野 亮廣

『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』河合 雅司

『スタンフォード式 最高の睡眠』西野精治

『「原因と結果」の経済学 ~データから真実を見抜く思考法』中室牧子、 津川友介


あなたが読んだ本はありましたか?

それぞれに共通するテーマを抽出すると、

  • 時代の変化、未来に対してどのように生きていくか
  • お金、AI、データ社会などの変化が、働き方や生き方にどう影響するか
  • アート、サイエンス、健康などの感性に関わる領域への注目

といった正に今の時代に生きる人達にとって旬の内容がベストセラーになったようです。

あなたの会社の社員達も恐らくこのような悩み、課題を感じながら仕事、そして人生に向き合っているのではないでしょうか。

 

  • 企業は社員一人一人の力を活かしきれているか?
  • 組織としての力をいかに高めていけるか?

この2つは今年も私にとって最重要テーマ。

そんなテーマを抱きながら中小企業のお客様と奮闘する中で、小さな感動や気づき、変化の胎動を感じることができました。

 

機会を与えれば人は育つ

トヨタ自動車の河合副社長の記事に「人を育てるためには、バッターボックスに立たせなければならない」とありました。

当り前のようで、なかなかできていないことです。

(ちなみに河合副社長は、本社上層階の役員部屋には寄り付かず、現場の一角に部屋をつくり、入社以来同じ下駄箱を使い、毎朝社員と一緒に風呂に入るという現場魂あふれる方のようです)

 

私は今年あるお客様で10名ほどの管理職研修を半年間続けてきました。
殆どの参加者は管理職になって間もない若手人材です。

社長は、彼らをどんどん抜擢し、機会を与え、本人の自発的な努力によって個を伸ばし会社を伸ばす考え方です。

研修開始最初は頼りない印象もありましたが、徐々に意識・行動の変化があらわれ、先日は研修の仕上げとして、今後入社する新人の育成方法を皆で考えてもらいました。

チームを率いる彼らにとって、新人が育ち定着することが何よりの願いなので、皆真剣そのもの。

議論する姿勢、議論の深さ、アイディア、良い解決策を考えようとするスタンスが素晴らしく、私は合いの手を入れる程度。殆ど見てるだけでした。
率直に凄いと思いました。

期待されれば人は成長する。
機会を与えられれば人は想像以上に大きな力を発揮する。
そういう静かな感動がありました。

 

キャリアと仕事を矛盾させない

かつて社内で自分のキャリアビジョンを語れる会社は稀でした。
会社としては「下手にキャリアのことなど考えさせたら転職してしまう」という発想でした。

今年、社員に対してキャリア面談を実施したり、評価時にキャリア視点を入れる会社を複数目にしました。

本人の描くキャリアと今やっている仕事が矛盾していたら、力が十分に発揮されません。
会社にとっても本人にとってもアンハッピーです。
完全一致ではなくとも、今の仕事が自分の将来のキャリアにつながると感じられる仕事を任せる時代が来ています。

ただし、これは本人が望むことだけをやらせるという意味ではありません。

本人が望まない仕事経験が、当人の成長に必要と考えるならば、その仕事をやらせるのも優しさ。

  • あなたの会社の社員が外に出ても必要とされる人材になるには何が必要か、何が足りないか
  • 今何を磨いたらよいか

などを上司も考え、本人も考える時代ではないでしょうか。

 

 

外国人労働者との共生

単純労働において外国人を受け入れる「特定技能ビザ」が来年4月から始まることになりました。

これについては賛否両論ありますが、外国人労働者を使い捨てする発想を捨て、共生し共に高め合う関係に移行する時ではないでしょうか。

あるお客様は、外国人技能実習生用の自治寮を建てました。
とても大きな投資です。
会社からほど近い場所に立派な寮をたて、今は実習生達が共同で暮らしています。
快適な居住環境を用意し、実習生達に少しでも気持ちよく働いてもらおうと願う真心に心を打たれました。

この会社では決算賞与を技能実習生にも分配しています。

日本人と外国人が仲よく協力しながら1つのチームとして働いている光景は、外国人活用の新しい時代を切り開いています。

 

副業人材の活用

今年も人材採用は非常に苦労されたのではないでしょうか。

「コア業務は正社員、ノンコア業務は派遣社員や契約社員」という切り分けは以前からありました。
今後はコア業務も正社員だけで回していく時代が終わりつつあります。

 

今年私が関わっているプロジェクトにおいて、副業人材を公募した会社がありました。
ふたを開けてみると、正社員採用では考えられないくらい沢山の応募者が来ました。

かつての副業は会社に隠れて夜間のバイトをするとか、収入を補うための副業が主流でした。
今増えている副業は、副業解禁された会社の社員が、自らの経験の幅を広げるために機会を探しています。

「副業の人なんて無責任でしょ」とあなたは思うかもしれません。
ところがどっこい、全然違うんです。
かなり本気度の高い、ビジネス経験豊富な人達が中心です。

 

今後副業が世の中に浸透するかはまだ分かりません。
しかし、先んじて副業人材を上手く活用できるようになれば、自社の社員が持っていない様々な力を獲得することができます。

副業以外にも色々な働き方があります。
クラウドワーカー、契約社員、業務委託、顧問、出向など形態は様々。
ちなみに日本の広義のフリーランス人口は1119万人。労働力人口の17%まできています。(ランサーズ調べ)

雇用形態にこだわらず、必要な時に必要な能力、知見をいかに獲得していくか?

そこに長けた会社が今後一歩抜きん出ていくでしょう。

 

 

ティール組織をどう捉えるか

今年「ティール組織」という分厚い本が売れ、耳にする機会も多くありました。

「ティール組織」のイメージは、ピラミッド型の組織ではなく、上司が部下を管理するという発想から離れ、一人一人が自律的に周囲と協働する組織。
会社組織で実現できているところは稀ですが、プロジェクトチームのような形態はティール組織に近いところがあります。

ティール組織の考え方は、マネジメントや部下の管理に疲弊している人にとっては福音。
すがりたくなる理論だったのも流行の背景だと感じます。

 

しかしながら、本来企業組織に流行も何もありません。

どんな組織形態であれ、次のようなことができている組織はいい組織です。

  • 自社の社員がそれぞれ自分の持てる力を存分に発揮している
  • 仕事にやりがいを感じている
  • 自らの意志をもって仕事に取り組んでいる
  • 社内外のコミュニケーションが活発、フランクで、協力的なチームワークがある

ピラミッド型の組織であろうとなかろうと、上記が実現できている組織はいい組織と言えます。

「当社はティール組織になれるかなれないか」、「なるべきか否か」とよく聞かれますが、それぞれの会社の歴史、文化、事業領域、経営者の考え方によって異なります。

大切なのは手法の議論ではなく、どうやって一歩一歩目指す組織に近づけていくかの具体論と行動です。

組織変革というのは、何だか会社が大きく変わる感があるんですよね。
事業再生や経営改革の時に出てくる案には必ず組織改革があります。
しかし組織改革は様々な対策の1つでしかありません。

 

「いい組織」を作るためには、組織図の形を変えることよりも、次のようなことを着実に粘り強く進めていくことが何より大切です。

  • 組織として目指すところの共有
  • 経営者と経営幹部が本気でいい組織を作りたいと思い行動で示す
  • 自律的で自己管理のできる社員の育成
  • 相互信頼、相互協力の姿勢
  • 稼げるビジネスモデル
  • 裏付けする制度(評価制度など)

1on1ミーティングを導入して上司と部下の対話の機会を増やすとか、管理職がコーチングの手法を学ぶとか、様々な取組みがされています。

たった1つの魔法はありませんが、自社に必要と思う取組みを一歩一歩ものにしていけば、いずれ目指す組織に近づいていくはずです。

青い鳥はあなたの会社の中にあるのです。

 

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筆者紹介

竹居淳一
株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

中小ベンチャー企業が「人と組織の力を最大化して持続的に発展」できるよう、人材育成・組織開発のコンサルティング、トレーニング、人材育成プログラムなどを提供しています。

筆者プロフィール詳細