「 報連相 」は一般的に部下から上司に対するお作法として認識されていますが、実は仕事において、上司から部下への報連相も負けず劣らず必要なものです。
上司から部下に対しての報連相が日常的に行われるようになると、報連相を怠っていた部下が以前より自主的に報連相をしてくるという効果もあります。
あなたは「えっ?そんなことで?」と思うかもしれませんが、上司が部下へ報連相を行うことのメリットはこれだけに留まりません。
今回は実際のエピソードとともに「上司から部下への報連相」の重要性について見ていきましょう。
目次
「上司から部下への報連相」のエピソード
私が新入社員の頃、上司が部下たちに報連相をしてくれていました。
部長クラスだけが参加する会議の資料を、私たち部署メンバーに見せながら、会社全体の経営動向、事業部の経営動向、経営のトピックなど、定期的に説明してくれました。
新人の私が知らなくても業務に全く支障が出ない内容ですが、あえて時間をとってくれたのです。
これは私の成長において大変有難い機会でした。
当時は日常の業務すらおぼつかない新人。普段頭の中はそれでいっぱいでしたが、会社全体の動きを聞くことで、視界が広がりました。
自分の仕事が会社とどのようにつながっているかを知ることができ、自ずと仕事への意欲が高まったのを覚えています。
そこまでしてくれる上司への感謝の気持ちも強く湧きました。
上司から部下への報連相とは?
さて、私のエピソードを書きましたが、「部下➡️上司」という通常の報連相とは逆方向の上司➡部下」の報連相とは具体的にどのようなことでしょうか?
いくつか事例を挙げます。
上司から部下への「報告」
上司から部下への「連絡」
上司から部下への「相談」
上司から部下への報連相のメリット
上司から部下への報連相の事例とともにそのメリットをみてきました。
メリットを改めてまとめておきます。
人材育成において
■普段の仕事より一段上の情報を知ることにより目線があがる
■主体的に取り組むようになり、成果が上がりやすくなる
組織活性化において
■上司に感謝する。大人扱いしてくれることで信頼が高まる
■自分もちゃんと報連相しようと思う
■お互いのコミュニケーションが良くなる
■組織の心理的安全性が高まり、交流や議論が活発化する
報連相で情報をできるだけオープンに
今回は「上司から部下への報連相が組織を活性化する」という話をしました。
上司から部下への報連相は、見方を変えると「会社の社員に対する情報公開の姿勢」を表しています。
会社組織は上に行くほどたくさん情報を持っていることが多いですが、それが行き過ぎると権力維持に使われたり、情報連絡コストが上昇したり、情報伝達の精度や正確性が下がります。
さらに情報を隠したり中途半端に伝えると、社員の間で疑心暗鬼が高まり、仕事への活力を阻害します。
同僚が誰も知らないうちに誰かが辞めている・・・などは、社員の士気が下がる典型ですよね。
会社の様々な情報のうち、本当に社員が知ったら困る情報はさほど多くはありません。
会社として積極的に情報を伝える姿勢を示せば、上司も自発的に部下に報連相を行うようになります。
「社員の主体性が足りない。組織の活力がない」と悩んでいる方は、是非「上司から部下への報連相」を試してみてください。
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