オーナー企業が陥りがちな「隠れ文鎮型組織」のワナ!業績は上々でも受け身社員が大量発生!?

2020.10.29
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今回は業績が伸びているオーナー系中堅・中小企業が陥りがちな、『文鎮型組織のワナ』について紹介します。

オーナー企業の文鎮型トップダウン・スタイル

スタートアップ企業の創業期は、夢や志を持つ創業者(社長)と創業者に共感した少数の知人や仲間で事業を立ち上げます。

事業内容や顧客に提供したい価値などを社長が社員に共有しながら、社長が先頭に立って会社を引っ張ります。

この場合の組織は、社長がトップに立ち社員が横並びになっている様子が文鎮の形に似ているので、『文鎮型組織』とも呼ばれています。

文鎮型組織には、メリットがあります。

  • 全ての情報が社長に集まり、全体を俯瞰して判断できる
  • 社員が社長に直接判断を依頼するため、意思決定が速い
  • 経験豊富な社長が判断するため、判断を誤る可能性が低い

 

このようなメリットは、創業期や有事には大変有効です。

またスタートアップ企業(創業期にある会社)には、主体性があり意欲の高い社員が集まりやすいです。

そのため、『文鎮型トップダウン』と『社員の主体性』が両立します。

 

文鎮型組織から階層型組織へ

 

ゼロから会社を立ち上げ大企業まで成長させるような創業社長は、創業期に入社した社員の中から幹部候補を見つけ、自ら判断する経験を積極的に積ませています。

そして社内の組織を少しずつ階層化し、育った社員を幹部に登用し権限を委譲します。

登用された幹部も部下に自ら考え判断する機会を提供し、自分の後継者作りと権限委譲を行います。

この連鎖を組織全体で起こすことにより、現場が中心となって運営される組織になります。

 

階層型組織へ移行できない!?『隠れ文鎮型組織』

公式な組織図では階層型組織になっていても、実際は社長が直接コントロールを続けている『隠れ文鎮型組織』も少なくありません。

優秀な社長が剛腕で牽引しているようなオーナー企業に多い傾向があります。

ただ文鎮型組織は長期化すると、様々な問題が顕在化します。

 

  •  組織の将来を担う人材が育たない
    • 社員が社長からの指示待ちに陥り、自ら考え判断することができない人材になる
  •  社長の限界≒会社の限界
    • 社長が全て判断する必要があるため、組織規模(社員数)の限界がある
  •  引き継がれるべき技術・経験の断裂
    • 管理者や先輩が部下・後輩を育成する意識が低下し、育成機会も減少する

 

中長期視点に立つと深刻な問題ばかりですが、緊急性が低いためになかなか本腰を入れて取り組まれないことも、隠れ文鎮型組織のワナにはまりやすい原因です。

 

隠れ文鎮型組織から抜け出すために

社長を引き継いだ2代目社長が隠れ文鎮型組織から抜け出すために、先代の経営スタイルからの脱却に挑むケースも増えてきました。

社長交代に伴って、社長と社員の距離(能力や立場)が縮まる機会を上手く利用し、社員との関係性を変えることから始め、会社の文化・制度を変え、社員中心の組織に転換しようとしています。

 

それでは長らく文鎮型でやってきた会社の場合、何から始めるのがいいのでしょうか?

ポイントは、『主体性を引き出す“文化”、“仕組み”、“人材”』です。

 

主体性を引き出す文化、人材、仕組みづくり

①主体性を引き出す文化づくり

会社の文化を創り出しているのは、組織のトップです。その社長が変わらないと、会社の文化は何も変わりません。

何を変えればよいのか悩まれる方が多いと思いますが、まずは社員との会話を、『議論』から『対話』に変えてみることから始めてみましょう。

テーマとしては、絶対的な正解のない企業理念やビジョン、価値観などが最適です。

事業や業務をテーマにすると、正しい答えを探す『議論』に陥りやすいためです。

 

②主体性を引き出す人材づくり

将来の管理職・幹部候補を、現在の能力に加え『主体性』や『問題意識の強さ』を考慮し、若手から選んでみてください。

そして社長直轄プロジェクトという形で何らかのお題を与え、自ら考え判断する機会を提供するのです。

普段は日常業務に埋没している人材に全社的な課題解決の機会を与えることにより、主体性を持つ人材が育つきっかけができます。

 

③主体性を引き出す仕組みづくり

目指す組織と人事制度などの仕組みが矛盾していると、社員の意識や行動を変えることが難しくなります。

評価制度や給与制度、登用基準などを、目指す組織に合う形で見直しましょう。

制度を見直すことが大変な場合、まずは社長賞として『挑戦賞』や『失敗賞』を作り、主体的な行動に光を当てるのもいい方法です。

 

まとめ

新型コロナ問題のような危機においては社長によるトップダウンが求められました。

しかしトップダウンを長く続け過ぎると文鎮型組織のワナにはまり、抜け出せなくなる危険性もあります。

アフターコロナの市場環境の変化に柔軟に対応していくには、社員の主体的な行動や判断が求められます。リモートワーク環境で働くならば尚更です。

あなたの会社が目指す姿と組織運営について、今一度考えられてみてはいかがでしょうか?
 

今回紹介したポイント『主体性を引き出す“文化”、“仕組み”、“人材”』がヒントになれば幸いです。

 

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筆者紹介

大西隆仁
株式会社インターブリッジグループ マネージャー

大西隆仁

幅広い企業に対して、課題の特定から解決まで長期的な視点で支援しています。企業理念再整理やビジョン策定、実現に向けた戦略立案、遂行に向けた変革活動に対し、クライアントに伴走する形で関わらせていただいています。

筆者プロフィール詳細