人事評価に不満 を抱く部下に考えて欲しいこと

2020.01.30

ビジネスパースンのキャリアにおいて、自分が受ける評価はとても大切です。

それによって昇進・ボーナスの金額・異動部署などが決まり、仕事の満足感や、やり甲斐にも関係してきます。

ところが誰もが経験したことがあるように、評価は想定以上に高い時もあれば、逆に低く評価され、納得いかない場合もあります。

低い評価を受けたら誰しもいい気持ちはしませんが、それを引きずって良くない心理状態で仕事をするのは非常にもったいないです。

 

人事評価は難しい

人事評価に不満

 
人を正しく評価するということは、会社の活動の中で最も難しい部類です。

これはどこの会社でも頭を悩ませている問題です。

主観を排した評価、合理的で公平かつ正しい評価などというものはほぼ存在し得ない以上、あまり気にしても仕方がないのです。

もっと言うと、私は多くの場合「上司は部下を正しく評価できない」と思っています。

稀に非常に冷静かつ客観的に精度の高い評価をされる方はいますが、大抵の人は他人の評価が上手くありません。

 

なぜ上司は部下を正しく評価できないのか

 
なぜ上司は部下を正しく評価できないのでしょうか。それは、人はそれぞれの仕事のスタイルが違うからです。

 

営業部長のAさんとその部下のチームリーダーBさんがいます。

Aさんは部下の営業行動量(電話数、訪問件数、提案回数など)の数字を細かくチェックし、できない理由は聞かず、やり方もあまり問わず、何が何でも目標数字を徹底的に上げさせるタイプ。

Bさんは行動量の数字よりも、各メンバーの意欲をいかに上げるかに重点をおき、対話を増やし、できていない人の理由を聞いて実践的な解決策をアドバイスするタイプ。

ここではAさん、Bさん、それぞれの良し悪しは問いません。

(売る商品やお客様の状況、社員のレベルなどによってやり方は違ってくるので。)
 

 

問題なのは、AさんはこれまでBさんのような指導法を全く経験した事がないため、Bさんのやり方を受け入れ難いと感じていることです。

Bさんのチームがすぐに良い業績を出せば別ですが、そうでない場合、AさんはBさんのやり方を否定します。

Bさんはいい気持ちがしません。

野球の素人がキャッチャーのレベルを評価しろと言われても難しいですよね。

Jリーグしか知らない人がセリアAの選手を正しく評価するのも無理があります。

Aさんも同じです。

AさんはBさんの指導スタイルにおいては素人なので、実は評価しようにもその術がないのです。

 

評価に一喜一憂しすぎない

 
多くの人は、自分の過去の経験のみにもとづいて判断、評価を行います。

自分が正しいと思う方法を実践する部下は評価できますが、その方法を取らない部下を評価しづらいのは、ある意味仕方がないことです。

評価が偏るのは会社として望ましい現象ではないので、色々と工夫改善をこらしているものの、抜本的な解決は難しい問題です。

よって、イキイキ楽しく幸せなキャリアを作っていくためには、あまり評価に一喜一憂しすぎないことです。

 

まとめ

 
安定的に努力し成果を出すべくやっている人は、長期的には必ず評価されます。

短期的には上司との相性を含めて良い評価を得られない時もあります。

大切なのは、常に自分を信じて自信をもって歩むこと。

反省すべき所を反省したら、さっと気分を切り替え、次の仕事に向かった方が賢明です。

 

とはいえ、今目の前にあることも大事ですよね。

もし自分とスタイルや経験領域の異なる上司の人がいたら、こまめにコミュニケーションをとり、自分の考えを伝え続けていきましょう。

そして何よりもゴールに向けて結果をきちんと出すことです。ビジネスの世界では結果が何よりも雄弁、結果が出れば自ずと一定の評価が得られます。

 

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筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

「人と組織が強みと言える会社づくり」を支援しています。人事の領域は年々複雑化、高度化していますが、中小企業で実践可能な視点から人材育成や組織づくりのコツを発信しています。 採用、育成、定着化、評価、組織開発、労務などの一連の領域を分断することなく、全体最適の解決策と実行が強みです。

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