「経営 幹部になる人 」と「中間管理職にとどまる人」の差|分かれ道となる5つのマインドセット

2023.07.13

 
『将来経営 幹部になる人 』と『中間管理職のままで終わる人』の分かれ道はなんだろう」

管理職研修などで色々な人と接する中で、この疑問がよく私の中に湧き上がってきます。
 

それなりの管理職の方であれば、実務能力、対人能力、主体性などは皆平均点以上です。

しかしながら、幹部に登用されていく人との間には、一見してはわからない、実は大きな差があるように感じます。
 

今週のブログでは、管理職のうち経営幹部になれる人とそうでない人の差は何か、また経営幹部としての役割を果たせるようになるにはどんな努力が必要で、どのようなステップを踏むべきかをご紹介いたします。

 

「経営幹部」と「中間管理職」の定義

 
最初にここで使う言葉の定義を明確にしておきます。

「経営幹部」という言葉はやや曖昧ですが、会社の役職でいえば、取締役、執行役員、事業部長、部長くらいの役職を想定しています。

これらの役職は、自分の部署のことだけでなく会社全体について目を配るポジションで、会社の業績にシビアに責任を負うポジションでもあります。

一方の「中間管理職」とは、もう少し小さい部署の責任をつとめ、基本的にはその部署の目標達成に向けて責任を持つ人です。

全社最適を考える必要がない立場とは言いませんが、基本的には自分の部署の成果を出すべくマネジメントする役割です。

 

中間管理職と経営幹部の差は「マインド」にある

 
中間管理職にとどまる人と、経営幹部を任されていく人の違いはどこにあるのでしょうか?

仕事の能力面の差もありますが、それ以上に大きいのは「マインドの差」だと感じます。

「ああ、この人は経営幹部になっていくだろうな」と思える人は、何と言うか覚悟感であったり、責任の背負い方、芯の強さが他の人とは違っています。

このマインドの差について、以下5つの角度から具体的にご説明します。

 

幹部になる人 のマインド① 野党ではなく与党になる

 

どんな会社にも問題点がたくさんあります。

外から見るととても立派で整っているように見える会社ですら、中に入れば問題だらけというのが普通です。

その問題に対して
 

「うちの会社は〇〇ができていないんだよね」

「□□がないから上手くいかないんだよね」

「経営陣はわかってないよね・・・」

「うちの若手は以前と比べて質が落ちたよね・・・」

 
客観的に指摘するだけの人は「野党」です。

 
逆に「与党」というのは、「問題を解決するのが自分の仕事」というスタンスの人です。

問題を見つけたら当事者意識をもって解決策を考え、経営陣に伝えるべき問題があれば、進言します。

問題点を指摘することは誰でもできますが、「それを解決するのが自分の仕事である」というマインドを持てるかどうか。

このマインドの差が、仕事の成果にも大きく影響します。

 

幹部になる人 のマインド② 自分の考え、軸がある

 
管理職のポジションであっても、何か問題が起きた際に上司に「どうしたらいいでしょうか?」と聞く人がいます。

これは指示を仰ぐことに慣れてしまっており、自分自身で考える習慣がない状態です。
 

本来であれば、

「自分は〇〇のようにしたいと思いますが、いかがでしょうか?」

と上司にぶつけるべきですよね。
 

 

経営幹部に上がっていけば、すべて自ら決断しなければなりません。

「どうしたらいいでしょうか?」と尋ねる相手はいなくなります。

その訓練のためにも、中間管理職の時から、どんな問題であれ自分の意見を持つ習慣にすること。
 

自分の意見こそが主体的に物事を動かす出発点です。意見がない人は他人に追随していくしかありません。

 

幹部になる人 のマインド③ 自分の仕事の評価は「結果」であると割り切る

 

毎年の業績評価は悲喜こもごもです。

「自分はこんなに頑張ったのに会社が評価してくれない」と思う人も多いでしょう。

中間管理職にとどまる人と、経営幹部を任されていく人の差は、「自分の仕事の評価は結果である」と割り切れるかどうかです。

 
今年最大限の努力をしたからといって、その年に良い結果(業績)を出せるとは限りません。

景気が悪化すれば、自分の努力に関係なく業績が落ちることもあります。

急に部下が辞めて業績に影響が出ることもあれば、上司の指示通り忠実にやったにも関わらず、業績が悪化することもあります。
 

つまり、努力しても結果が必ず出るとは限りません。不可抗力はいくらでも存在します。

それでも、それを不可抗力のせいにしない。

「理由が何であろうと自分の責任」と割り切るマインドになれるかどうかが分かれ道です。

 

上場会社の社長を見ればわかりやすいと思います。

「米国の景気が悪化したため消費マインドが冷え込み、その結果、減収減益になりました」という言い訳は経営トップには通用しませんよね。

世の中にはそれも見越して次の手をうっている社長だっているのだから、何の言い訳にもなりません。

仮に業績悪化の原因が前任社長の負の遺産のせいだとしても、自分が社長の時の問題は自分が背負うしかありません。

そういう運命にあるのが経営者です。
 

だからこそ、経営幹部は経営者に近いマインドが求められます。

「結果は出なかったけど、もっとプロセスを評価してください!」というのは若手や中堅社員のセリフとしては許容されるかもしれません。

しかし、経営幹部になる人は経営者同様に何が何でも結果をにこだわり、結果で評価されるという腹決めが必要なのです。

 

幹部になる人 のマインド④ 変化し続ける

幹部になる人

 

同じ中間管理職の比較において、経営幹部になる人とならない人の違いは、現時点の能力の差よりも成長の変化率の差が大きく関連しています。 

日々学び、日々吸収し、日々経験値を深めていく人は、現時点の能力が並であったとしても、1年後には大きく化けます。
 

逆に、経験値豊かなベテラン社員であっても、成長の変化率が低ければ、1年後も2年後も同じような状態にとどまります。

この変化率は何で決まるかというと、インプットの質と量です。
 

過去の経験に頼って仕事を片付けようとする人と、本を読んだり、人と会って情報収集しながらトライする人では、大きく差がつきます。
 

インプットのやり方は人それぞれですが
 

自分の知らないことを貪欲に学ぶ

新しいことを恐れず吸収する、やってみる

社内外の人と沢山話す

世代の異なる人ともたくさん触れ合う
 

このようなマインドを持って意識的に変化している人は将来大きく伸びる人材です。
 

もしあなたの会社の経営幹部が勉強しない人だったら、会社の将来が心配になりますよね?

変化率、変化しようとする意志は、経営幹部になる人に欠かせない条件と言えます。

 

幹部になる人 のマインド⑤ 横のマネジメントを意識する

 

マネジメントには縦と横があります。

縦のマネジメントとは、組織図の上から下へのマネジメント。

つまり、上司の指示を受けて、自分の組織を適切に動かすという、上下関係の存在するマネジメントです。

横のマネジメントとは、社内横断プロジェクトでイメージされるように、部署を超えたメンバーで構成されるチーム、かつ上下関係が明確でないメンバーが集って何かを進めるマネジメントです。

 
横のマネジメントの特徴は、
 

■ 「上司と部下」のような強制力で人を動かすことができない

 リーダーシップと共感のマネジメントが求められる
 

■ お互いの価値観や言葉が噛み合わない。あうんの呼吸が通じない

 コミュニケーション能力、説明のわかりやすさ、チームビルディングスキルが求められる
 

このように、横のマネジメントは縦のマネジメントに比べて難易度が高く、リーダーシップや人間性を問われます。

よってこの経験の有無が、経営幹部としてより大きな仕事をマネジメントできるか否かを左右します。
 

 

中間管理職のメイン業務は自分の部署の成果を出すことですが、部署と部署の間にまたがる問題に向き合ったり、部署横断で進めるべき仕事を買って出るなど、横のマネジメントを経験すると一回り大きく成長します。

この重要性を理解し、意識的に横のマネジメントに取り組むか否か。

それが中間管理職のままでいる人と経営幹部に登用される人の差につながります。

 

まとめ

 
中間管理職にとどまる人と、経営幹部を任されていく人の違いは、能力の差というよりマインドの差にあります。

決定的に異なるのは以下5つの観点におけるマインドの差と言えます。
 

①野党ではなく与党になる

②自分の考え、軸がある

③自分の仕事の評価は「結果」であると割り切る

④変化し続ける

⑤横のマネジメントを意識する
 

これらのマインドを体得するのは簡単ではありませんが、決して天性によるものではなく、本人の意志と心がけによって身に着けられるものです。
 

もしあなたの会社が幹部人材不足に悩んでいるなら、この5つのマインドを中間管理職の皆さんにしっかり伝え、日々の仕事の中で意識的に取り組んでもらうことが欠かせません。

組織全体の成長と成功のために、未来の幹部人材の育成を積極的に行っていきましょう。

 

 

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筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

「人と組織が強みと言える会社づくり」を支援しています。人事の領域は年々複雑化、高度化していますが、中小企業で実践可能な視点から人材育成や組織づくりのコツを発信しています。 採用、育成、定着化、評価、組織開発、労務などの一連の領域を分断することなく、全体最適の解決策と実行が強みです。

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