普段行っている「 会議の席順 」をちょっと思い浮かべてみてください。
席順は特に定めず参加者の自由に任せていたはずが、気づけば毎週毎週皆がきれいに同じ席に座っている、なんて光景を見たことがないでしょうか?
人が変化を避ける傾向はこういう所にあらわれます。
隣の人がいつも同じだと安心できるし、毎回固定してしまえばソリの合わない人と近くになるリスクもありません。
しかしあなたの会社が社員に求めるのは、変化への対応、チャレンジ、多様性・・・ではないでしょうか。
今週のブログでは、社内の日常において硬直化・マンネリ化を防ぐ工夫についてお伝えします。
目次
会議の席順 研修でよくある残念なこと
私が10数名程度の研修トレーナーを行うときのあるある話です。
研修の初日、特に席順を定めず受講生に自由に座ってもらいます。
その1週間後、第2回研修の日。
再び席を指定せず受講生にまかせると、ほとんどの場合、受講生は第1回と同じ席に座ります。
人は前の晩に何を食べたか覚えていなくても、1週間前にどこに座ったかは必ず覚えているのです。
皆がそういう行動をとるのは、
- 前回と同じ場所という安心感
- 2回目も新しい人と隣り合わせて一から交流するのは億劫
- 前回他の人が座った場所に勝手に座ると嫌な顔をされるのが心配なので遠慮
このような心理が働いているからです。
よって私は、毎回受講生が到着した時に伝えるようにしています。
会議の席順 が固定化するデメリット
席順が固定化する会議の代表格は、省庁などが主催し、大学の先生やお偉いさんを諮問委員に迎えて実施するような会議です。
参加者全ての席に名札を立て、偉い順、長老順に上座から順番にずらーっと並びます。
初回も2回目も3回目も座席は変わりません。
もう1つが、大企業の役員会です。
数十名がずらり、偉い順に席が固定化されており、末席の方に座ると非常に意見をしづらい空気が漂っています。
2つの例を出しましたが、どちらも「自由闊達な議論にはほど遠い会議」の典型です。
会議出席者の席順が固定化されるデメリットは、
- 似た者同士(仲いい同士)が近くに座るので、結果として、会議中意見は出さずに近い者同士で目くばせしたりする
- 自分と合わない人と距離を置くため、組織の交流が深まらない
- 関係性が固定化され、自由闊達な議論になりにくい
- 場の空気が停滞感に包まれ、積極性が減退する
- 「変化しない習慣」「変化を避ける習慣」が強まる
1つ1つは小さなことかもしれませんが、
毎回繰り返すうちに、チャレンジ志向とは逆のマインドがしみついていく恐れがあります。
会議の席順 だけではない!職場におけるマンネリ習慣
会議に限らず、職場では社員のマンネリ化が出現する瞬間が色々あります。
- 毎日必ず同じ人とランチに行く
- 開催意義のなくなった会議をただ継続する
- 会議での発言順が毎回同じ。発言する人も毎回同じ
- 朝礼で毎日同じような「本日の目標」を発表する
人は放っておくと同じことを繰り返し、慣れた仕事や気心知れた付き合いに限定しようとします。
そうやってリスクやストレス、危険を回避する行動をとるのが本能です。
マネージャーはメンバーの行動のパターン化、マンネリ化が進まないよう、工夫をこらしてみましょう。
会議のマンネリ化を防ぐ方法
イチローのルーティーンのような、健康や体調維持、パフォーマンスを出すためのルーティーンは歓迎です。
しかし本来頭を使うべき仕事の場面では、ルーティーン化は逆効果です。
変化をつけ、脳を刺激し、一定のストレスを与え、個々に内在する力を引き出しましょう。
例えば先ほどのような席順が固定化する会議の対策としては、このようなものが有効です。
これらの工夫により、アクセントをつけましょう。
同じことを繰り返さず、「おやっ?」「えっ?」「マジっ?」という瞬間を組み込むことで、毎週の会議のマンネリ習慣を回避することができます。
チャレンジする企業文化は日常の仕事の習慣から
ほとんどの会社において、社員のチャレンジ精神、変化対応、多様性などが奨励され、行動評価の対象にもなっています。
しかし、そう掲げている反面、社員の普段の行動や仕事の習慣が安定志向、変化を嫌うスタイル、マンネリ化に陥っていることがあります。
ぜひ考えてみてください。
普段からリスクや変化を避けて仕事をしている人が、いざという時、果敢にリスクにチャレンジできるでしょうか?
今あなたが身近にできる対策は日常の仕事の習慣を工夫することです。
ちょっとした変化、ストレス、緊張感などを与え、社員がいい意味での緊張感をもち、変化に適応する訓練を重ねていきましょう。
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