経営者視点の育て方|幹部候補を経営者レベルに引き上げる7つの方法

2020.11.19
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経営幹部育成や管理職育成において、必ず上がってくるテーマとして「経営者視点」があります。

幹部に経営者視点を期待する社長自身は、当然ながら社長業を通じて経営者視点を備えています。

しかし社長ではない管理職に経営者視点を持たせるというのは、山頂まで登ったことがない人に山頂からの景色を語らせるようなものであり、決して簡単なことではありません。

この記事では、その具体的なやり方、工夫についてお伝えします。

 

そもそも経営者視点とは?

 

経営者視点とは具体的に何を指すのでしょうか?

一般的に、経営者に必要なスキルとしてこのようなものが挙げられます。

 

  • マーケティング
  • 営業
  • 会計
  • 組織マネジメント

 

しかし、中小企業のリアルな経営現場で求められる「経営者視点」はこのような知識ではなく、体験にもとづく底力のようなものです。

創業経営者が会社を拡大する過程をなぞれば、経営者視点とは何か?がよく分かります。

 

  • 創業経営者は自らリスクをとって会社を立上げ、最初は会社の全ての事を自分でやります。

  • 当然ながら会社全体を見る力を自ずと体得します。

  • 生き残るため、あらゆる情報や世の中の動きに耳を澄まし、まるで空腹の虎のように鋭敏にチャンスをうかがっています。そしてよく学びます。

  • 1つの事象から、うまくいく場合(楽観)、最悪の場合(悲観)、様々な可能性に想像をめぐらせます。

  • 会社の生命線は「キャッシュ」なので、キャッシュフローを体で理解し、数字の感覚も養われていきます。

  • 成長の過程で採用に失敗したり、社員に裏切られたり、色々な経験を重ねて人を見る目、育てるコツが養われます。

  • 成功と失敗の狭間のぎりぎりの闘いを行う中で商売センスも磨かれていきます。

  • 目先の稼ぎは当然のこととして捉え、中長期の発展も同時に考えます。

  • 何より持てる力の殆ど全てを事業に注ぎこんでいるため、懸ける思いと迫力が一般の会社員とは比べ物になりません。

  • 全て自分で意思決定するので、決断する勇気がつき、決断の結果責任を全て背負うことになります。

 

経営者視点の要素 まとめ

 

  1. 会社全体を見ることができる広い視野
  2. 世の中の動きをキャッチする高いアンテナ
  3. 想像力
  4. 学習力
  5. 数字へのこだわり
  6. 儲かる仕組みづくりのセンス
  7. 何が何でも結果を出すという迫力
  8. 短期と中長期の目線
  9. 人に対する厳しさと優しさ
  10. 決断力と結果責任

 

以上のような要素の集合体が、創業者が会社を拡大する過程で体得する経営者視点と言えます。

 

経営者視点を育てる7つの方法

 

中小企業の幹部には同様の経営者視点が求められますが、体得させるのが並大抵ではないのがお分かりになったと思います。

とはいえ、全ての要素において社長レベルは無理だとしても、幹部社員を近いレベルまで引き上げる方法はあります。

具体的な方法を見ていきましょう。

 

■実際に経営者を経験させる

一番早い方法は実際に社長を経験させることです。

具体的には子会社の社長、新規事業の社長などを担ってもらいます。

実際の経営を担う、またはゼロから事業を立ち上げる経験を積むことで、結果へのこだわり、数字への感度が飛躍的に高まります。

実際の経営者視点が広く養われます。

 

■事業全体の責任者をまかせる

社長ではなくとも、一定規模の事業トップとして、事業全ての責任と権限をゆだねます。

その際、事業部損益はあたかも1つの会社組織であるかの如く正確に出します。

明確な結果責任を担うことで、経営者に近い体験が可能です。

 

■苦しい事業を担当させる

赤字続きであったり、現場が疲弊している事業など、順調でない事業を任せると、ぎりぎりの状況からどう突破するかの胆力とリーダーシップが磨かれます。

 

■社長の真横で薫陶を受ける

いわゆる帝王学です。

社長が意思決定する場面、悩んでいる時間、思考錯誤する時間を沢山共有し、どのように考えているか?、なぜその決断を行ったか?などの内なる声をシェアしてもらい、共に議論を重ねます。

自分が社長の立場だったらどうするか?を常にシミュレーションする訓練を通じて、経営者としての判断力が鍛えられます。

とはいえ、自ら最後の砦となって事業の意思決定をしている訳ではないので、強さに課題が残ります。

   

■幹部会議を激論の場にする

多くの企業の幹部会議は、幹部1人1人が社長に報告するばかりの会議になっています。

それを皆でもっと議論する場に変えてみましょう。

各幹部が報告する事業の課題、具体的な対応策などについて皆が自分事として捉え、徹底的に議論するのです。

結果として会社の様々な問題について真剣に考えるきっかけとなり、全社視点、思考力が身に着きます。

 

■若いうちから収益を強く意識させる

経営者視点の育成は本来は早ければ早いほどよく、若手の時から徐々に訓練していくのが望ましいです。

特に大事なのは商売の全体像を見せること。売上だけを意識するのではなく、売上、経費、利益まで損益全体を見ながら、商売を作っていく習慣をつけることです。

パーツの仕事をさせるのではなく、あたかも一人で八百屋を経営するがごとく、事業全体をコントロールする習慣が経営者視点を養います。

ストレッチ目標を与えることも重要です。

 

■研修で学ぶ

経営者視点を体得するための研修も有効です。

1つは社長自身が先生となり、幹部候補生に対して自らの経営体験談、葛藤の経験などリアルな話を伝承する研修です。

もう1つは、外部の研修会社などを活用して、経営者視点として求められる要素を、ケーススタディ、インプット⇒アウトプット、実践活用などを繰り返しながら学んでいく研修です。

座学でお勉強するだけの研修は実践効果が出にくいので、アクティブラーニング型など実践と連動した研修が望ましいです。

課題にふさわしい本を読んで、そのアウトプットを沢山出させるような訓練も有効です。

 

まとめ

以上、経営者視点を養う具体的な方法について見てきました。

幹部が経営者視点を身に着ければ成長の大いなる原動力となりますが、そのためには以上のような具体的な工夫が必要です。

 

「もっと経営視点をもて」「経営者視点を持てるよう勉強しろ」とはっぱをかけるだけでは真の経営者視点は備わりません。

リアルな現場で経営者に近い経験をさせるか、

仮に疑似体験であったとしても実際の現場で役立つ学びを継続する環境を与えることが何よりも大切です。

 

今回紹介した方法を有望な幹部候補の育成にぜひ取り入れてみてください。

 

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筆者紹介

竹居淳一
株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

中小ベンチャー企業が「人と組織の力を最大化して持続的に発展」できるよう、人材育成・組織開発のコンサルティング、トレーニング、人材育成プログラムなどを提供しています。

筆者プロフィール詳細