部下の育成

部下の育成 をしない上司の本音|組織の対策は?

2018.02.22

あなたの周りに「 部下の育成 をしない上司」はいませんか?

どこの会社にも部下や後輩に積極的に指導する人とそうでない人がいるものです。

人材育成を加速するには優秀な上司や先輩による経験伝授や指導が欠かせません。

一般的には「上司が部下に指導するのは当たり前でしょ!」と思いがちですが、実際にそうとは限らないものです。

部下や後輩の指導にもう少し本気で取り組んでもらうためには、上司や先輩が教えたがらない本音を押さえておきましょう。

 

部下の育成 、後輩の育成をしない理由

< 部下の育成 をしない上司の本音>

部下の育成

 

<後輩の育成をしない先輩の本音>

部下の育成

 

ずいぶん自分勝手な理由!?と思う方もいるかもしれませんが、皆それぞれプレッシャーに追われ自分の事で精一杯。悪気はないものです。

 

部下や後輩の育成に力を入れてもらうためには?

 
それでは組織としてどのような対策を打てばいいでしょうか?

 

部下の育成 を明確に業務として位置付ける

 
育成が仕事の一部であると明確に定義し、半期の評価などにおいても育成に対する貢献をきちんと評価して、報酬にも連動させます。

 

生保業界で最強の営業力と言われる日本生命では、5万人の女性営業職員のうち4000人は営業ノルマを持たず、後輩の育成が仕事です。

業績評価は後輩の成長度合で測られるそうです。

「先輩と後輩で競争関係になると教えたくなくなる」「座学や研修では育成が追い付かない」

こういったことが理由で上記の仕組みを導入したようです。

 

育成だけに専念させられるケースは少ないと思いますが、

少なくとも「育成があなたの仕事(の一部)ですよ」と明確にしている点、育成の成果が業績評価に繋がるところがポイントです。

報酬を連動させるかは議論が分かれますが、私はある程度反映させないとなかなか動いてくれないと感じます。

報酬連動が難しければ、少なくとも名誉と賞賛を与えるべきです。

 

教えたがらない人には逆に教える

 
教えたがらない人の多くは、自分が教わった経験をあまり持っていません。

だからもう1つ上のポジションの人が、教えたがらない人達に指導してあげるのです。

「部下にちゃんと指導しなさい!」と指示するばかりでなく、上が模範を示し、教える価値を分かってもらうのです。

 

後任を育成して異動させる

 
「上司の重要な仕事の1つは自分の後任を育成すること」とはよく言われますが、そういう意識にはなかなかなれないものです。

仮に自分のポジションを守りたいと思っていたら、どうでしょうか?

考え方を変えさせるには思い切って異動させる事です。

「半年後にあなたは異動するから、それまでに後任を育てなさい」

こういう状況になれば、自分のポジションを守る必要がなくなり、吹っ切れるでしょう。

 

私はかつてIRの責任者をやっていた事がありました。

IRの仕事は楽しかったですが、自分の中では海外事業や新規事業などにもっと時間投入したかったので、いかに早く部下にバトンタッチするかを考えていました。

だから自分の経験やノウハウをどんどん教え、部下も優秀だったお蔭でIR業務から卒業できました。

もし私自身がずっとIR責任者を続けたいと思っていたら、恐らくそこまで育成に時間を使わなかった事でしょう。

 

属人性に頼らない職人育成法

部下の育成

 
上司や先輩による指導はバラつきがあるので、属人性を脱却し、仕事のノウハウ習得を体系化する方法も有効です。

「5年経験しないと1人前になれない」みたいな先入観を取っ払い、業務習得の仕組みを徹底的に標準化・コンテンツ化していくのです。

育成が最も属人的である職人の世界において、今は短期育成法が次々と出ています。

寿司職人を1年間で育成する「東京寿司アカデミー」などは有名ですよね。

原田左官工業所では左官職人の育成法を体系化させ、半年かかっていたスキルの習得を1ヶ月に短縮しました。

まず体験!、優れたやり方の模倣、動画コンテンツ学習などを重視しており、ビジネス教育においても非常に参考になります。

 

原田さんという方がこのブログで仰っています。

 

人材育成について (原田宗亮)

 

見習い制度、徒弟制度のメリット・デメリット

 
・メリット:忍耐力がつく

・デメリット:下積み期間が流すぎて、仕事が面白くなる前に辞めてしまう

 

「今の若者は忍耐力がない、我慢が足りない」などと言っていては時代に取り残されてしまいます。

少子化、採用難、残業制限、給与格差、ラーニングテクノロジーなどの時代背景にあった育成方法が必要ではないでしょうか。

 

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人材育成の方法(前編)人材が育つOJTの5つの要素

筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

「人と組織が強みと言える会社づくり」を支援しています。人事の領域は年々複雑化、高度化していますが、中小企業で実践可能な視点から人材育成や組織づくりのコツを発信しています。 採用、育成、定着化、評価、組織開発、労務などの一連の領域を分断することなく、全体最適の解決策と実行が強みです。

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