管理職の仕事の型(3. 会議の開催・設計編) 会議の目的 7パターン

2021.12.23

中小企業の管理職育成においては、まず最初に管理職としての仕事の型を習得してもらうことが効果的です。 会議の目的

今週のブログは、「1. 時間管理編」「2.管理レポート編」に続く第3弾として、会議の開催と設計についてお伝えします。
 

会議は下手に開催すればとてつもなく無駄な時間となりますが、有効に活用できれば大きな価値を創出する時間となります。

よって、会議をいかに上手く活用できるかは、管理職の誰もが避けて通れない必須スキルと言えます。
 

 
会議の進行のコツについては、以前こちらのブログでまとめましたので、ご参考までに。

 

目的に応じた会議の設計

 
何となく「昔からやっているから」と惰性で続けている会議はありませんか?

参加者が「この会議、意味があるんだろうか?」と疑問に思いながらも漫然と開催されているような会議です。

会議には当然ながら目的があるので、まずはその目的のパターンを抑えておきましょう。

 

会議の目的

 

お知らせ、連絡事項の共有

業務の進捗状況などの報告

報告に対する確認、議論、上司からの指導、対策検討など

方針、方向性の擦り合せ

特定テーマ(問題解決や企画など)についてのディスカッション

学び合い、教育

相互交流

 

本来会議はこれらの目的ごとに時間を切り分けて開催されるべきですが、多くの会議に見られるのは、①から⑦がごちゃ混ぜになっており、いずれも中途半端で終わるパターンです。

ごちゃ混ぜにしてしまうと目的が曖昧になり参加者が「一体何のための会議?」と感じてしまうだけでなく、進行もスムーズにいきません。

①から⑦は、目的に大きな違いがあるだけでなく、参加者に求められる姿勢や事前準備なども全然異なるものだからです。

 

「 会議の目的 」に応じた運営方法

「 会議の目的 」に応じた運営方法

 
この目的の①から⑦をどのように組み合わせるか?

いつ、誰が、どこで、どのようなやり方で開催し、何を目的とするか?

ここが管理職の腕の見せどころです。部署の環境に応じた会議設計が欠かせません。

 

①お知らせ、連絡事項の共有 / ②業務の進捗状況などの報告

 
ほとんどの場合は基本的に聞いて理解するだけ、または事実を正確に伝えれば済む内容です。

あえて会議は開催せず、資料を共有し、各自が確認する仕組みがあれば代替可能です。

メンバーが一同に会し、部長が1人1人順番に進捗報告させるような会議は非常に退屈で他人事になります。

 

③報告に対する確認、議論、上司からの指導、対策検討など

 
やり方次第で無駄な時間にも価値ある時間にもなるものです。

上司からの一方的な指導や根性論による解決を避けましょう。

既に②で既に把握している事実にもとづきフラットな議論を行い、PDCAを深める議論を目指しましょう。

 

④方針、方向性の擦り合せ

 
仕事の方針についての理解が人によってずれている場合などに行う会議です。

この会議のポイントは何より会話のキャッチボールです。

例えば、販売強化方針を掲げたA商品についてお客様のニーズを十分聞かずに売り込む担当者がいた場合、改めて会社として何を大事にするかという方針のすり合わせが求められます。

方針の徹底行わず曖昧な状態だと、現場に迷いが生じたり、ミスや不正につながる場合があるので、1人1人の声をじっくり聞きながら、認識を合わせていく必要があります。

 

ディスカッション

 

⑤特定テーマ(問題解決や企画など)についてのディスカッション

 
関係者の様々な意見やアイディアを集約しながら、最適解を見つける会議です。

よって、議論の場、事前準備、当日の進行など、ファシリテーションと段取り設計が重要です。
 

①②③などの目的の会議の後についでに議論・・・という形では行ってはいけません。会議の事前準備ができていなければ、いい答えは導き出せないので、ちゃんと⑤のディスカッションのための時間を用意するべきです。

 

⑥学び合い、教育

 
会議と言うよりは勉強会に近い形です。

例えば新商品の売り方の勉強会、契約実務に関する勉強会など、学ぶテーマを明確にし、参加者、話題提供者、指導役などの設計と事前準備が必要です。 

月に1回程度、このような場が学びの場があるのはとてもいいですね。

教える人も教わる人も成長の機会になります。

 

⑦相互交流 

 
仕事の打合せが目的ではなく、メンバー間の交流、相互理解、信頼関係づくりなど、チームビルディングを目的とするものです。

例えば月末最終日の夕方に、会議室に軽食とドリンクを並べて交流したり、時には皆で飲みに行ったりするのも有効です。

結成後間もないチームであれば、毎週オンライン交流の時間をとり、順番に自己紹介や特技や趣味を披露し合ったりするのもいいですね。
 

チームビルディング

 

「 会議の目的 」に合わせた会議設計の例

 
①~⑦の目的を踏まえた会議設計の例です。

参考にしてみてください。

 

会議の目的

 

決めたら徹底して行う

 
会議は決めたらやり抜くことが大事です。

例えば「毎週月曜10時から定例会議を開催」と決めたら、必ずやりましょう。

忙しいから・・・と飛ばしたり、時間をずらしたりすると、その会議の重要性がどんどん薄れていきますし、

参加メンバーの時間管理にも支障を及ぼします。
 

重ねて言いますが、会議設計は決めたら毎週着実にやり抜くこと。これが何より大事です。

やり抜いた上でチューニングしていくのはいいですが、やり抜く前に「この会議はあまり意味がないよね・・・負担が重いよね・・・」とすぐに辞めるのは論外です。

やり抜いた上で、皆で工夫改善しながら、開催価値の高い会議を作っていかねばなりません。

勉強会など事前準備のいるものは負荷がかかるので尚更大変ですが、だからこそ完遂しましょう。
 

こういったことができる会社は実は少ないです。

だからこそ、継続してやり抜く会社は一歩抜きん出ることができます。

 

「 会議の目的 」は共有する

 
開催する会議について、それぞれ開催の意図を明確にし、参加者に共有してください。

参加者の目的認識がずれていたらいい会議はできません。

自分がその会議においてどのような役割を果たすべきか」、「自分やチームがどのような収穫を得る場なのか」を認識してもらいましょう。

お客様気分で何の準備もなく参加したり、嫌々出席する人がいたら、その会議は成功しません。

 

まとめ

会議の目的まとめ

 
会議は漫然と開催しても成果につながりません。

大勢の人の大切な時間を使うからこそ、綿密に設計し、有意義な時間になるように組み立てる力が管理職には求められます。

ぜひ「会議の目的7パターン」を参考に、価値のある会議を実践していきましょう。

 

 
「管理職の仕事の型」シリーズはこちら

筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

「人と組織が強みと言える会社づくり」を支援しています。人事の領域は年々複雑化、高度化していますが、中小企業で実践可能な視点から人材育成や組織づくりのコツを発信しています。 採用、育成、定着化、評価、組織開発、労務などの一連の領域を分断することなく、全体最適の解決策と実行が強みです。

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