「自社に合った テレワークの方法 」を探そう|4つの視点から課題をチェック

2022.05.13
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新型コロナウイルス感染症という外圧によって日本の働き方は大きな変化を遂げました。

当初は緊急事態宣言などに伴い移動が制限されたため、やむなく開始したテレワークでしたが、いざ始めてみると意外にも仕事がちゃんと回ることに気づかされましたよね。

テレワークには当然ながら一長一短がありますが、働き手の多くはそのメリットを強く感じました。

これからは、受け身のテレワークではなく能動的なテレワークの時代。

現在テレワークを行っている会社であっても、実は「 自社に合ったテレワーク 」はできていないかもしれません。
 

今週のブログでは、アフターコロナにおけるテレワークの在り方について、自社に合ったテレワークとはどのような形か、4つの視点で検証していただきたいと思います。

 

テレワークができる求人の割合は?

 
転職サイトに掲載されている求人のうち、テレワークを認めている求人はどのくらいあるか調べてみました。
 

【エン転職】
「在宅勤務・テレワークOK」となっている求人数は、全体の6,022件中951件(16%)
 

【Green】(IT系企業の求人が多く掲載されている転職サイト)
「リモートワーク(テレワーク)」というキーワードが含まれる求人数が29,303件中9,071件(31%)

(どちらも2022/5/8時点) 

 

「テレワーク専門」の求人サイトも増えてきており、「テレワークができるかできないか」が、転職先を選ぶ際の判断基準の1つになったといえます。

 

テレワークのメリットとデメリット

 
テレワークがこれだけ普及したのは、きっかけはコロナだったとはいえ、実際のメリットがあったからです。

 

テレワークのメリット 働き手にとってのメリット

 

・通勤がなくなり、時間の節約と通勤ラッシュのストレスから解放

・育児や家事と仕事の両立がしやすい

・洋服や化粧などにかける費用が節約できる

・他人に煩わされず仕事に集中できる

・無駄な会議や飲み会に参加しないで済む


このように働き手にとって多くのメリットがありますが、会社にとってもたくさんメリットがありました。
 

テレワークのメリット 会社にとってのメリット

 
<生産性向上>

  • 営業職などの移動時間が減り、実質的な業務稼働時間が増加
  • 商談や社内会議のための出張が減り、時間効率が格段に向上
  • 無駄な会議が減少
  • 顔を合わせない分、仕事の段取りや擦合せを小まめに行う習慣へ

 
<経費削減>

  • 通勤手当、出張費、移動交通費、交際費などの削減
  • オフィス縮小などにより賃料や光熱費削減

 
<人材定着、採用>

  • 遠隔地に住む人や育児中の社員など多様な人材が働ける環境
  • 先進的なリモート環境整備による採用競争力向上
  • 会議の席次に象徴されるような上下関係が弱まり、Zoomで皆の写真が一律に並ぶように、意識のフラット化が進行(≒権威によるマネジメントが通用しなくなった)

 
<育成>

  • どこからでも手軽にセミナーや研修に参加

 

このように会社にとってのメリットも非常に多岐にわたっており、もはやテレワークは企業にとっても手放せない選択肢であることがわかります。

一方でデメリットも見えてきました。

 

テレワークのデメリット

 

  • 業務の進捗状況を管理しづらい(何をしているかを上司が把握できない)
     
  • 仕事中に転職活動をしたり、さぼる人が出る
     
  • 雑談などの手軽なコミュニケーションの場がなくなり、関係性が希薄化
     
  • 仕事の相互協力、助け合いが弱体化
     
  • 社員の帰属意識が弱まり孤立感が生まれる
     
  • 時間をかける議論が進めづらい(0から1を生み出す議論、新たな企画立案、大きな問題の解決など)
     
  • 人材育成がしづらい

 
 

※リモート環境における人材育成上の課題は、こちらのブログをご参照ください。
 

  

 
このようにテレワークが決して万能ではないことも判明しました。

テレワークは大きな武器になりますが、誰もが導入すればいいというものでもありません。

アフターコロナで問われるのは、それぞれの会社が自社に適したワークスタイルを生み出すこと。

メリットを生かし、デメリットを消せるよう最適なあり方を考え、それを貫いていくことだと思います。

 

あなたの会社に最適なテレワークとは?

 
あなたの会社はテレワークに向いているでしょうか?

テレワークにおいてどのような課題があるでしょうか?

ぜひこれらを理解して「自社に合ったテレワーク」を導入していきましょう。

 

以下の4つのチャートから検証してみてください。

 

業務環境の視点

 

 

テレワークが進んでいる会社は、業務システムの活用やペーパーレス化などのIT環境整備が進んでいます。

IT環境の整っていない会社は、急いてテレワークを導入しても業務が回らなくなる恐れがあります。

工場、オンサイト保守や点検、接客など、現場にいなければ仕事にならない職場はテレワーク導入が難しいですが、一部の業務をロボット等に代替させることでテレワークを部分的に取り入れることも可能です。

 

業務内容の視点

 

テレワークの方法

 

働き手同士の連携やキャッチボールの多い仕事はオフィス勤務に軍配があがります。

もちろんリモート環境でチャットや音声を駆使して一定程度は可能ですが、複数の人とのやり取りが同時多発的に出るほどリモートはストレスがたまります。
 

特に答えのない創造的な業務(アイディアを出し合ってホワイトボードにまとめながら意見を出し合うような仕事)を複数人数で行う場合、テレワークは難易度が上がります。

会議は、報告会や答え合わせ的な議論であればリモートで全く問題ありませんが、参加メンバー同士の掛け合いや議論を通じてクリエイティブな解決策を導いていくことなどは、オフィス勤務の方が向いています。

 

企業文化の視点

 

 

テレワークは自己管理、時間管理がしっかりできる人、組織に向いている働き方です。

他人から指示をもらわないと動けない人や、人の目がないと怠けてしまう人は不向きです。
 

またお互い顔を合わせる時間が減るので、オフィス勤務の時以上に周囲の状況に配慮し、お互い助け合いながら仕事を進める姿勢が欠かせません。

元々社員同士が協力的でなかったり、コミュニケーション不足による仕事のミスや漏れが多い職場は、テレワーク移行はリスクがあります。

 

経営環境の視点

 

 

変化の激しい職場では各人のやることが次々と変化し、お互いの擦合せが求められるので、テレワークよりも顔を合わせて仕事ができるオフィス勤務が有利です。

多様な人材集団では「バックグラウンドや考え方の差異」が大きいので、相手をきちんと理解するところが出発点です。

男女、年齢、出身業界、経験職種、ITリテラシーなどの違いに比してコミュニケーション量が少ないと、意見の対立や誤解、揉めごとを招きやすいので、テレワークでは注意が必要です。

 

以上、4つのチャート上に、自社ないし自分の職場の現状をプロットしてみてください。

それぞれの角度から、「あなたの会社はテレワークに向いているか」、「向いていないとしたら何が課題か」ということが見えてきたと思います。

 

ハイブリッド型のテレワーク運営

 
テレワークの長所・短所を踏まえると、今後多くの会社はハイブリッド型を選択していくのではないでしょうか?

ハイブリッド型とはテレワークとオフィス出勤を組み合わせて併用するスタイルです。

例えばこのような型があります。
 

  • 出勤する曜日を決めて運用する
  • 最低限週〇日はオフィス出勤と定め、何曜日に来るかは本人達に任せる 

 
ハイブリッド型で気を付けるべきは、オフィス出勤の時に何に時間を使うかという点です。

せっかく出勤したにもかかわらず、退屈な会議に参加したり、資料を見ればわかるような進捗報告会議を延々と続けていたら、「何のために会社に来たんだろう…?」という気持ちになります。

「出勤日などなくして、フルリモートにしてくれた方がマシ」と思われるでしょう。
 

たまに顔を合わせたのをいいことに、上司が部下への不満をぶつけたり、叱責の時間にあてていたら、それも出社したくなくなる理由になってしまいます。

ハイブリッド型の出勤日に意識すべきは、冒頭で述べた“テレワークのデメリット”をいかに補うかという観点です。

 

テレワークの社員が出社する場合の「有意義な時間の使い方」

テレワークの社員が出社する場合の「有意義な時間の使い方」

 

  • 社員同士の雑談、近況報告
     
  • お互いの仕事の共有、相互アドバイス
     
  • 普段は相談できなかった悩みの相談
     
  • 方針や価値観の擦り合わせ
     
  • 大きな問題の解決策協議
     
  • 新しいアイディア出しや企画議論
     
  • 勉強会
     
  • 飲み会

 

オフィス出勤日にはできるだけ上記のような活動を行い、社員の孤独感の解消、帰属意識の向上、コミュニケーション不足の解消、(じっくり対話を通じた)価値観の共有、問題解決や改善・新企画の議論などを促進していく有意義な日にしましょう。

 

自社に合った「 テレワークの方法 」まとめ

 
テレワークは労使双方にとって非常にメリットの大きい働き方なので、いかにメリットを享受しながらデメリットを補うかというところから考える必要があります。
 

例えば「リモート環境では部下の業務管理がしづらい」という問題意識のある会社ではこのような工夫をして弱点を補っています。
 

  • お互いオンラインの音声をつなぎっぱなしにして一定の緊張感と交流のしやすさを維持する
  • 疑似オフィスをIT空間に設置して、オフィスにいるかのようにバーチャル上でコミュニケーションする
  • 仕事の計画と進捗を見える化し、報告会議を減らす
  • 情報共有を徹底する

 
一方でテレワークではカバーしづらい協働の場はオフィス出勤日を使いましょう。

社員同士の交流、対話、方針や価値観の共有、アイディア出し、課題対策議論などは、皆が顔を合わせる日を有効活用しましょう。
 

「自社はテレワークにふさわしい環境を備えているか?」

「テレワークで仕事に支障が出ないか?」

いろいろな角度から検証した上で、自社に最適なテレワークの在り方を決めていきましょう。

 

 

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筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

中小ベンチャー企業が「人と組織の力を最大化して持続的に発展」できるよう、戦略人事アドバイザー、幹部/管理職育成、組織開発、人事制度づくりなどを行っています。

筆者プロフィール詳細