成果が出ない部下 をぐんぐん伸ばす|上司→部下への指導は「現地現物」で!

2022.06.17
Share this...
Share on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter

なかなか 成果が出ない部下 がいたとき、あなたは上司として何をしますか?

優秀な部下であれば、上司がざっくり仕事の方針を示して、困った時にアドバイスなどすれば、部下自ら工夫してどんどん結果を出していきます。
 

しかし実際は、そのような部下は少数派です。

(多数派の)一般的な部下は、結果を出すための細やかなサポートを必要としており、彼らの実力をどこまで引き上げられるかが上司の腕の見せ所とも言えます。
 

成果が出ない部下に対しては、方針伝達や口先の指導だけではどうにもなりません。

今週のブログは成果の出ない部下に対して、上司が行うべき指導法、アクションについてお伝えします。

 

口先指導の限界

 

Aさんの例

 
かつての私の部下で、法人営業を担当しているAさんがいました。

新たに立ち上げた人材系のサービスを売り込む仕事として、営業経験のあった彼を中途採用し、業務を任せたのです。
 

仕事はシンプルで、ターゲット顧客のリストを作成し、その企業に連絡をとり、商談の場をセットし、サービスの紹介を行いながら、受注を目指す仕事です。

入社したAさんにサービスの概要からこれまで進めてきたことを引継ぎ、業務をスタートしました。
 
 

 
ところが数ヶ月ほど経っても受注が全然できません。

受注どころか、初回商談から話が前に進んでいくイメージが全然ありません。

毎週Aさんに尋ねると「徐々に興味を持つ会社が増えてきています。もう少し待ってもらえれば結果が出てきます」というので任せていました。
 

Aさんは業務時間中も小まめにお客様に連絡し、商談にも出向いていたので、いずれ結果が出るだろうと高を括っていました。
 

しかし、その後もなかなか結果がついてきません。

いよいよまずいと思って、Aさんの仕事に入り込んで私も一緒にやってみました。

するといくつか重大な問題に気づきました。

 

Aさんの問題点
 

■ 商談におけるAさんの説明を聞くと、サービスの優れた特徴が全然伝わっていない。競合サービスとの違いも伝えられていない

■ 商談向けに用意しているパンフレットが、いざ説明に使ってみると非常にわかりづらく使いづらい

■ そもそもAさん自身が、当社の特徴や将来ビジョンを聞かれても答えられない

■ 顧客の業種や規模に応じて提案すべき内容を少し変える必要があるが、Aさんは業種/規模を問わずランダムに商談を行っているため、いずれの提案も浅い内容にとどまっている

 

そして、自分自身大いに反省しました。

Aさんはこんな初歩的なところでつまずいていたのか・・・

上司である私はそれに気づかず、彼に「結果につながらない商談」をひたすら繰り返させていたなんて・・・

 

Aさんは前職で営業経験があり実績も出していたので安心して任せていましたが、異変を感じた時にもっと早く仕事の中味や状況を踏み込んで理解するべきでした。

それまでも毎週Aさんと進捗会議して、その都度指導やアドバイスをした気になっていましたが、それでは何の具体的効果もなかったのです。
 

「深く現地現物に触れなければ見えてこないものがある」と思い知らされました。

 

マネージャーへの指導は? 

 
マネージャーの仕事についても同様のことが言えます。
 

マネージャーBさんの例

 
ある企業の営業部長には、直部下として4人のマネージャーがおり、さらに4人の下にそれぞれ5~6人のメンバーがいます。

営業部長は普段から4人のマネージャーに対して、下記のような部下マネジメントの基礎を教えていました。
 

  

各マネージャーとも理解が早く、どんどん現場で実践してくれて頼もしい限りだったのですが、1人だけなかなかチーム業績の上がらないBさんがいました。
 

成果が出ない部下

いずれ結果がついてくるだろうと営業部長は楽観視していましたが、結果が出てこないため焦ってきた営業部長は、Bさんのチーム運営の詳細を把握する必要を感じ、以下を実施しました。


 

■ Bさんが主催する毎朝のミーティングに参加。Bさんと部下間の1on1にも同席

■ Bさんのチームが座っている島に一時的に営業部長も座り、チーム全体の日々の仕事の流れを体感  

■ Bさんの部下1人1人と面談し、チームマネジメントについて話を聞く

 

これを経て営業部長はいくつかの問題点に気づきました。
 

  1. Bさんは適切な指示を出すものの、各メンバーがその指示を実際に実行しているかのチェックをしていない。

    ▶︎部下は少しやってみて上手くいかないと、やめてしまう
     
     
  1. Bさんのマネジメント信条として「自分は指示を出す立場であり、実行の細部は部下が考えて行うこと。指示通りやらないのは部下の問題」という考えを強くもっている。(考え方の問題)

    ▶︎指示の実行状況をしつこくチェックしようとしない
     
     
  1. チームとして雑談が少ない。同僚同士の仕事の相談やコミュニケーションも少なく、1人1人が孤独に戦っている。

    ▶︎協力する、教え合うなどのチーム風土がない。
     
     
  1. Bさんはいいお客さんを部下に渡さず自分で担当する傾向がある(Bさんもプレイヤーとしての数字を持っているので、自分が優先的に有力顧客を担当)

    ▶︎それに対して部下は不満を持っている。

 

営業部長は自分自身がBさんのチーム状況についてきちんと理解できていなかったことを思い知らされました。

Bさんから毎週報告は受けていましたが、Bさんの口から上記のような問題が出てくることは当然ながらありませんでした。

 

営業部長はBさんと改善方針について話し合い、問題点に対して1つ1つ手を打っていった結果、半年ほど経過してBさんのチームの業績が好転しはじめました。

 

ケーススタディ「事務職の事例」

 
あなたならどのような改善指導を行うか、考えてみてください。
 

ケーススタディ Cさんの例

 
あなたの会社に営業取締役の役員秘書兼事務担当という社員(Cさん)がいます。

Cさんはあまり仕事ができるタイプではなく、周囲からは「仕事が遅い、効率が悪い」と評価されてしまっています。
 

 

ちなみにCさんには具体的に以下のような問題があります。
 
 

  • 色々な仕事に追われており、いつも忙しくて余裕がない。「忙しい、忙しい」と言っているが、同僚と比べて特に業務が多いわけではない
     
  • 作成している営業関連資料が非常に多く、提出遅延やミスが多発している。ミスが出るから余計忙しくなる
     
  • 来客アポイント設定の仕事に時間がかかり過ぎ(来客が非常に多い事情もあるが)
     
  • 役員が打合せに参加する際の資料準備やスケジュール管理などにも追われている

 

 
Cさんの上司は時々Cさんを自分の席に呼んで、
 
「もっと効率を意識するように!」「仕事の期限は絶対!」「ホウレンソウをもっと小まめに!」
 
などの指導をしていますが、この1年間、Cさんには特段の変化は見られません。

このような課題を抱えた人に、あなただったらどのような対策をうちますか?

 

仮に私がCさんの上司だとしたら、1週間ほどかけて、以下のような方法でCさんの具体的な仕事のやり方を総点検し、改善を進めていきます。

 

 

本人が改善できること

 

  • Cさんの業務リスト一覧の記入や管理方法、仕事の順序づけをどのように行っているか、本人の手帳やスケジュール表などを見せてもらう
     
  • メールの処理順序、仕掛かりメールの保管の仕方、フォルダ分類方法、返信スピードなどを点検して、非効率があれば改善してもらう
     
  • 毎日必ずやるべき仕事を忘れないよう業務の時間固定とルーティーン化ができているか点検する

 

チームが改善できること

 

  • Cさんが作成担当の資料を一覧表にまとめ、それぞれの資料は誰が見ている資料か、本当に必要な資料かなど点検。いらない書類をなくし、共通化できる資料は共通化する
     
  • 同じデータを複数の書類に転記するなどの無駄な作業があれば、作業工程を見直す

 

外から改善できること

 

  • 役員から種々雑多な依頼がくるが、例えばスケジュール表への予定登録など、役員自身が自分で直接やった方がいい仕事は役員にやってもらうよう依頼する
     
  • アポイント調整作業は手間がかかる割に付加価値が低いので、クラウドのスケジュール調整ソフト等を導入して効率化する

 

 

この方法は最初に非常に手間がかかりますが、これを行わない限りどうにもなりません。

 
これまで上司が指導してきたにもかかわらず改善がなかったという事は、ただCさんに口で指導するだけでは治りません。

自らCさんの業務にぐっと入り込んで現物を見て初めて根本的な対策ができます。
 

業務効率の悪い人の問題点はほとんど共通しているので、上記のような点検を行えば課題が浮き彫りになり、実質的な改善効果も出せます。

このとき1つ上司が注意しなければならないのは、業務効率の改善には、担当者個人で改善可能な問題と組織として改善すべき問題が混在していることです。
 

 

組織として改善すべき問題とは、

「これまで行っていた業務をやめる」「他人や他部署に仕事をふる」「お金をかけて業務効率化をはかる」

といったものです。
 

これらは担当者では判断ができないので、上司がきちんと入り込んで組織としてしなければなりません。

担当者の職務上、過去からやってきた仕事を何も疑わずにそのままの姿で継続しがちなので、それを打破させるのは上司の仕事に他なりません。

 

まとめ

 
成果の出ない部下を育てるのは骨が折れます。

時間もかかるし、疲れるし、諦めたくもなります。
 

しかし「何の手も施しようがない部下」や、「どんな手を打っても改善しない部下」はいません。

レベルの差、改善スピードの差はあるものの、適切な指導をすれば必ず仕事のクオリティは向上します。
 

その時上司に求められるのは、表面的な口先指導ではなく、部下の仕事の各論に入り込み、現地現物を踏まえた指導です。

各論に入り込むことによって問題の所在がリアルに見えてくれば、容易に対策を考えることができます。

的を得た正しい対策を打てるので、実際の改善、成果という果実が得られます。
 

上司の本音としては、「ある程度指示するだけで部下自ら考えて結果を出してほしい」ところですが、そこはぐっと我慢して、粘り強く指導する。

その瞬間は大変ですが、乗り越えれば部下は間違いなく一段ステップを上がっていくことでしょう。

 

 

こちらの記事もおすすめです。
 

 

 

Share this...
Share on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter

筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

中小ベンチャー企業が「人と組織の力を最大化して持続的に発展」できるよう、戦略人事アドバイザー、幹部/管理職育成、組織開発、人事制度づくりなどを行っています。

筆者プロフィール詳細