本当の「適材適所」とは?過去の踏襲から脱却する新しい 人事異動の決め方

2021.08.19
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「適材適所」は組織づくりの要です。

「人間」という、長所もあれば短所もある個々の存在を上手く組み合わせ、

組織として最大の力を発揮するには、その土台となる適材適所が欠かせません。

 
しかし企業の 人事異動の決め方 では
 

「〇〇君は営業向きだよね」

「〇〇さんは△△部の雰囲気にぴったりだよね」

 
という非常に感覚的な人材配置が行われていたりします。

 
このように、適材適所が本当に深く考えられているか?と問われたら

Yesとは言えない会社が多いのが現状です。

 
今週のブログでは、企業における適材適所の考え方についてお伝えします。

 

「適材適所」は過去の踏襲ではなく、未来からの逆算へ

 
自社にとっての「適材適所とは何ぞや?」という問いをまず考えてみてください。

 
今の業務を適切に回すための適材適所

または

今の業務を進化させ新しい形を作っていくための適材適所

 
どちらを優先しますか?

 
多くの会社で議論されている適材適所は、今の組織や当該部署の環境が前提です。

これは過去を踏襲した適材適所です。

 
「Aさんは営業部の雰囲気にぴったりだよね」というのは正にその議論です。

 
今の営業部の安定的な維持を目的とするならばこの考え方もありですが、

営業部のマンネリ化や安定維持志向を打破したいと考えているならば、Aさんが適材とは言えないでしょう。

 
会社がどんどん進化、変化を遂げていくべきフェイズにあるならば、

過去を踏襲した適材適所ではなく、未来の形を見据えた適材適所を考えなければなりません。

 

「適材適所」は双方向の概念

 
適材適所は2つのベクトルから考える必要があります。

 

人事異動の決め方

 
会社の人材配置ではどちらかというと1のベクトルで対象人材を決めることが多いです。
 

2は本人の能力ややりたい事を出発点にどの仕事に配置するのがよいかを考えるアプローチなので、

仮に皆が「マーケティングをやりたい」と言っても全員分ポジションを用意することはできません。
 

よって適材適所の議論において1のベクトルが主となるのは致し方ありませんが、

社員1人1人が「会社が定める人事異動に従ってキャリアを作る」という時代は変わりつつあるので、

本人に適した仕事が何か考える2の視点を持つことも人事の大切な仕事になっています。
 

大企業では社内公募、社内FA(フリーエージェント)、人事異動希望アンケートなどの制度がありますが、中小企業ではあまり用意されていません。

「最初に所属した部署から異動しない、業務内容も大して変わらない」という従来の当たり前から脱却し、

本人の希望や適性に応じて適材適所に導く道を、ぜひ用意しましょう。

 

人事異動では固定観念の枠を外す

 
昔からの固定観念の枠組みの中で適材適所を考えていると、せっかくの可能性に蓋をしてしまうことになります。

固定観念とは以下のようなものです。
 

  • 女性社員は一般事務職採用のみ
  • 高卒社員などんなに昇進しても課長まで
  • 事務職で採用した人材は総合職の仕事はやらせない(転換制度もなし)
  • 〇〇部は男性のみ

 
やや時代遅れ感があるかもしれませんが、今でもこのような考えを踏襲している会社はあります。

 
私のお客様の中にも女性社員の出世に上限を設けている会社がありましたが、事務職の女性社員の中に優秀な人材が何人もいました。

過去の枠組みを取っ払って、その女性社員を上位のポジションに登用しようと考えるか否かによって、「適材適所」の拡がりが大きく変わってきます。

 

「適材適所」を自らプロデュースできる人材を育てる

 
適材適所は「目の前にある業務と目の前にいる個人を最適に結びつける」というマッチングの概念で捉えられがちです。

しかし、その考え方でいる限りは、最適なマッチングに悩むことが多いでしょう。

どうしても「仕事で求められること」と、「個人の適性・やりたい仕事」にはギャップがあり、綺麗にマッチングしないからです。 
 

そこで、ある程度割り切って

「70%程度マッチしていればよし」とする考え方も必要です。
 

その代わり、新しい仕事に就く個人が努力しなければなりません。

「自分の力で適所に転換する」努力です。
 


 
新たな仕事が最初から自分にぴったりとは限りませんが、
 

その部署の人達に早く馴染むよう頑張り、

仕事に必要なスキルをつけ、

いくつかの困難を乗り越えていく。
 

そうすれば、結果としてその仕事は“適所”に変わります。

 


 
逆に、
 

新しい仕事をネガティブに捉え、

人間関係を築こうとせず、

従前のスキルだけで対処しようとしたら、
 

その仕事は決して“適所”になりません。
 

会社が社員の適材適所を考えるとき、今持っている能力や経験だけでぴったりの適所を探す必要はありません。

何か足りないところがあっても、積極的に学び、わからない事にもチャレンジしてくれれば、結果として適材適所は実現できると考えましょう。

したがって、それができるような前向きで変化やチャレンジを怖れない人材を育てることが「適材適所」を実現する最短の道です。

 

まとめ

 
一口に「適材適所」と言っても色々な観点があることがお分かりいただけたと思います。

適材適所の概念は会社によって異なり、会社が何を目指すかによって適材適所の実現の仕方も変わってきます。

今後テクノロジーの進化やデータの蓄積により、AIが人間よりも適切な適材適所を考える時代が来るかもしれません。
AIは人が発想しなかったような面白い人事異動案などを提案してくれることでしょう。
 

しかしAIであれ人であれ、過去からこれまでの見えているもの同士で適材適所のマッチングを行うのではなく、

未来の会社が変化したい姿、そこで求められる仕事のスタンス、

個人が目指す将来のキャリアなど未来の要素も組み込んで考える必要があります。
 

そして何より、現在70%と判断した適材適所を100%に高めるべく、努力の上で適材適所を完成させる文化を作っていきましょう。

 

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筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

中小ベンチャー企業が「人と組織の力を最大化して持続的に発展」できるよう、人材育成・組織開発のコンサルティング、トレーニング、人材育成プログラムなどを提供しています。

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