チームワークとは?チームで結果を出すための好循環サイクルを知ろう

2020.09.03

仕事をする上で、個人の能力と同じく重視されるのがチームの振る舞いです。

チームとは目標を達成するためにつくられたグループで、組織が大きくなればなるほど、個々の能力以上に「チームとしての力」が仕事を左右します。

どうすればチームを円滑に動かしその力を最大限に発揮させることができるのでしょうか。

チームワークと「組織の成功循環モデル」

 

 

MIT(マサチューセッツ工科大学)組織学習センターの創始者であるダニエル・キム氏が提唱した「組織の成功循環モデル」というものがあります。

  

 

上の図が意味するのは組織改善のステップです、

「1. 関係の質」を高めると、それが「2. 思考の質」の向上につながり、さらに「3. 行動の質」が高まり、最終的に「4. 結果の質」につながるというものです。

いい結果が出れば、さらに「関係の質」が高まり、どんどん好循環サイクルに入っていきます。 

 

逆に悪いパターンは、結果が出ないとき「行動の質」にばかり焦点をあてることです。

行動するようにガンガンプレッシャーをかけたとしても、手前の「関係の質」や「思考の質」が低ければ「行動の質」は上がらず、結果も出ません。

結果が悪いとさらに組織の雰囲気(≒関係の質)が悪化するという悪循環サイクルです。

この理論を初めて聞く方は「特に目新しさはないけど、言われてみれば確かにそうだよなあ・・・」と、腑に落ちる感じがあるのではないでしょうか。

 

さて、ここであなたのチームや職場全体を振り返ってみてください。この好循環サイクルは回っているでしょうか?

いくつか問題点も見えてくるのではないかと思います。

 

チームワークの見えない部分を疎かにすると結果は出ない

 

多くの職場が好循環サイクルを築けず、悪循環に入ってしまうのはなぜでしょうか?

先の図に補助線を一本引くと、わかることがあります。

 

 

赤点線の右上半分「1. 関係の質」「2. 思考の質」は形のないもので、目に見えません。

左下半分「3. 行動の質」「4. 結果の質」は人の動きや結果数値として見ることができます。

1と2が大事であることは誰も否定しません。

しかし1と2は目に見えないので対策が後回しになりがちです。

一方で3と4はよく見えるので、すぐに対策を考えます。

特に「3. 行動の質」は即効性ある打ち手に見えるので改善の対象になりやすいですが、即効性は短命と同義。

もし1と2に弱点があるとしたら、すぐに息切れしてしまいます。

 

例えば週明けの営業会議で「行動が足りない!もっと本気で達成する気持ちをもって商談を増やそう!」と部長が鼓舞します。

その日の午後くらいは少し士気が上がり頑張るものの、翌日火曜以降は元に戻ってしまう・・・。

それを毎週繰り返す組織を想像してみてください。

 

強いチームを作るためには

 

強いチームを作るためには「1. 関係の質」に立ち戻って改善していかなくてはなりません。

「1. 関係の質」が高まれば、苦しい結果が出ない状況下であっても、皆で知恵を絞って何とかしよう!という気持ちが生まれ、「2. 思考の質」も上がっていくはずです。

ここで1つ考えてみてください。

「1. 関係の質」は見えない部分であると先ほど書きましたが、それは本当に見えないのでしょうか?

実は、見ようと思えば見える方法があります。

 

  • 職場における会話の頻度、笑い声
  • 社員の笑顔の回数、朝の挨拶の声/表情
  • 昼休みの過ごし方
  • 会議での発言の数、発言者の顔ぶれ
  • 上司の発言に対する意見や質問の出方
  • 議論の深まり度合い
  • お互いの知恵や情報共有の頻度
  • 自発的な作戦相談

 

それぞれ観察してみると、かなりのことが見えてくるはずです。

ぜひあなたの職場でも注意深く観察してみてください。

これらの状態や頻度に問題があるとしたら、そのチームは「関係の質」が良い状態とは言えません。

その時は焦って「行動の質」の改善に注力するのではなく、基本の「関係の質」に目を向けてみましょう。

そうすればきっと、あなたのチームは強く進化していくはずです。

 

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筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

「人と組織が強みと言える会社づくり」を支援しています。人事の領域は年々複雑化、高度化していますが、中小企業で実践可能な視点から人材育成や組織づくりのコツを発信しています。 採用、育成、定着化、評価、組織開発、労務などの一連の領域を分断することなく、全体最適の解決策と実行が強みです。

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