成長する人しない人
成長する人と成長しない人の差はどこからくるのでしょうか。
成長を左右する要因はさまざまです。
能力、意欲、行動力、勤勉さ、素直さ、職場環境、出会い、上司の指導力、ストレッチ目標などなど、
成長に影響を与える要素は数多くあります。
どれか1つで決まるというよりは、人によって、それぞれの要素が組み合わさり、成長を成し遂げていると言えます。
従って、これぞという普遍的な共通解はありません。
でも実はたった1つ、成長する人に共通していることがあります。
今週のブログは、成長する人と成長しない人のたった1つの分かれ道、さらに成長を導く具体的な指導法についてお伝えします。
目次
成長する人は日々成長している
成長する人としない人の大きな違い。
それは、成長している人は「日々成長している」ということです。
たまに思いついたように成長しているわけではなく、日々成長を蓄積しています。
例えば社会人になって10年が経ち、自らの成長ぶりを振り返ったとします。
10年の歳月をかけて作り上げた成長というのは、分解してみれば、日々の成長の総計に他なりません。
もちろん人の成長にはペースがあります。
大きく成長する時もあれば、少し停滞する時もあります。
時にはさぼっているうちに能力がさびついてしまう時もあるでしょう。
しかし、真に成長している人というのは、そのペースに波はあれど、常に一歩でも半歩でも前進し続けている人たちです。
一方、成長ベクトルが長らく横ばいになっている人は、なかなか成長ペースを取り戻せません。
長らく停滞してる人でも、稀に何かのきっかけがあってグンと伸びる瞬間はありますが、多くの場合は長続きせず、最終的には大きな成長には繋がりません。
真に成長する人は、ほぼ休みなく、失敗も成功も全て糧にして、持続的に成長を続けているのです。
1日1日の積み重ねが未来を作る
先ほど数年の成長も分解すれば1日1日の積み重ねと述べました。
少なくとも「1日に1つは何か進化しよう!」と思う意志が成長を支えます。
もし1日の中で1ミリも成長がなければ、翌日も同様、1年後もそのようになりかねません。
特に変化もなく漫然と毎日同じ仕事をこなしていたら、要注意です。
1日の成長を構成するもの
1日の仕事はどのように構成されているかを考えてみましょう。
通常、1日中全く同じ仕事をひたすら続けるということは多くありません。
1日の中で商談をしたり、資料を作成したり、報告会議があったり、企画を考えたり、色々な業務があります。
そしてその業務1つ1つに、気づきや成長の宝がとんでもないほどたくさん潜んでいるのです。
仮に1日に5つの業務があったとしたら、少なくとも5回の成長チャンスがあると言えます。
もし1つの業務の中に3つの成長チャンスを見つけられたら、5×3=15回の成長チャンスがあります。
1日の中の1つ1つの業務こそが、その日の成長を支え、半年の成長、1年の成長、3年の成長、10年の成長につながる最小単位であると言えます。
1つ1つの仕事で成長できる人の違い
では1つ1つの業務でしっかり成長できる人とそうでない人は何が異なるのでしょうか?
秋の朝、駅に向かって歩いている人を想像してみてください。
歩きながら多くのことに気づきます。
「隣の家の庭の木が紅葉してきたな」
「今日の秋風は心地いいな」
「通りのラーメン屋から漂ってくる香りがいつもと違う?」
「いつも会う犬の散歩中のおばあちゃん、今日は挨拶の声に元気がなかったな」
このように、次から次へと色んなことに気づきます。
一方で、同じ時間に同じ道を歩いていても、上記の変化に全く気付かない人もいます。
全く同じことをしていても、人によって、感じること、感じる感度は個人差があるのです。
同様の現象があなたの職場においても日々起きています。
- 上司の話を聞いて何か自分自身の課題に気づく人
-気づかない人
- 同僚の朝の表情の変化に気づく人
-気づかない人
- 資料のデータが間違っていた時に、原因究明して次からミスが出ないように直せる人
-その瞬間直すだけで、また間違いを起こす人
- 資料の保管状態を見て機密情報管理のリスクに気づく人
-気づかない人
- 商品が売れない時にその原因を考える人
-考えない人
このような違いが、1つ1つの仕事で毎日毎日起きているのが現実です。
仮に1つ1つの仕事でこのような差がついているとしたら、半年後、1年後に両者の間にどれだけの能力差がついていることでしょうか。
想像を絶するほどの差がついていると思います。
だからこそ成長のためには、日々の1つ1つの仕事、一瞬一瞬において小さな成長ができているかが大切なのです。
学べない仕事、成長できない仕事などない
どんな仕事であっても、そこから学べること、気づけることに溢れた泉です。
例えば仕事で他人とコミュニケ―ションをとる行為だけでも
「上手く伝わらない」
「誤解が生じる」
「言った言わない問題」
「言ったのにやってくれない」
「伝え方を間違えて、相手を怒らせてしまった」
といった問題が日常茶飯事で発生しているはずです。
その上手くいかないコミュニケ―ションの1つ1つから、気づきや学びがあります。
「次はもっと丁寧に時間をかけて説明しよう!」
「もっと簡潔に話せる訓練をしよう!」
「書面で記録に残しておこう!」
「相手との信頼関係づくりから改めてやり直そう!」
「自分の論理で伝えるのではなく、相手の立場でどう受け止めるか想像してから話そう!」
このような改善策が浮かんでくるはずです。
気づく力、学ぶ力は教えられる
日々の1つ1つの仕事において気づく力、自分事にして成長する力には個人差がありますが、誰でも底上げすることが十分可能です。
自分から気づけない人には、ヒントを与えてあげましょう。
気づけない部下に成長チャンスを与える指導の具体例
何か問題が起きたとき
「なぜ起きたか考えて、対策を報告してね」
会議終了後
「今の●●さんの発言をあなたはどう思った?」「自分ならどうしたい?」
上司の営業に同席した後
「今の私の商談で、良かったところと改善すべきところは何だと思う?」
Excelのデータ集計表の作業の際
「どこがおかしいか見つけてみて」
人間関係に悩んでいたら
「原因のさらに本質的な原因は何だと思う?」「相手の立場にたつとどう思う?」
業務がうまくいったとき
「今後も継続させるためには何が必要?」「もっと良い結果を出すためには次は何をすべきだと思う?」
褒めるだけではなく、次なるステップの課題を与えます。
気づきとなる具体的な質問を投げかけることで、部下は普段なら流してしまうことを一歩立ち止まって考え、振返り、次につなげる訓練をすることができます。
このように、もし部下が自らお題を出すことはできなくても、上司からお題をもらえれば、気づき、考える機会が格段に増えます。
この日々の訓練こそが、1つ1つの仕事で成長する礎になります。
1日の仕事の中で、何回そのような機会を持てるか?
一瞬一瞬の仕事を疎かにせず、そこから何かを感じとり、次に活かす習慣を身に着けられるか?
これが5年後、10年後のその人の成長に大きな影響を与えるのです。
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