仕事ができる人 の即レス習慣に学ぶ|ベテラン社員こそ気をつけたいメール返信の速度と姿勢

2024.03.28

仕事ができる人 
メールマナーは通常、新入社員研修で扱うような超基礎スキルとされていますが、基礎がわかっているはずのベテラン社員の中にもメール対応が不適切な人が少なくありません。
 

あなたの回りにこのようなベテラン社員はいませんか?
 

少々ややこしい質問に対する返信を先延ばしにする人 

社長からのメールには秒速で対応する一方、部下からのメールには催促されるまで返信しない人

業者へのメール対応が乱暴な人

etc.

 

これはメールマナーやメールスキルの欠如と言うよりは、仕事のスタンスやマネジメント力の課題がメールレスポンスに表出しているだけで、意外と根深い問題です。

しかし逆に言えば、ベテラン社員であっても、メールレスポンスを改めて見直すことで、仕事のクオリティを大いに改善できる可能性もあります。
 

今週のブログは、ベテラン社員にありがちなメール対応の課題と、その改善方法について取り上げます。

 

即レス習慣がある人は何が違う?

仕事ができる人

 

メールの返信速度は、仕事の能力に比例するといっても過言ではないでしょう。

過去に色々な方と仕事をしてきましたが、仕事のできる方はおしなべて返信が早いです。

忙しい立場でありながら迅速にメールを返信できる人は、どのような特徴を持っているのでしょうか。

以下に3つの特徴をご紹介します。

 

仕事の在庫をためない

 
忙しい人は「仕事の在庫を多く持たないことが業務スピードのコツ」と分かっているので、メールを返信しないままたくさんため込んだりしません。
 

打合せの日程調整など、その場ですぐに対応できるメールは即答する

自分より適切な対応者がいると判断したら、ただちにその人に転送する
(自分は直接関係ないからといって放置はしない)

メールで聞かれている内容がよく分からない場合、放置せずにすぐ追加の質問を送る

「了解!」と一言だけでも必ず返信する
(相手から再度確認メールが来てしまうことを避ける)

すぐに回答できない依頼や問合せには「確認してから回答します」「●日までに返信します」と迅速に返信する

メールで書くのが難しい内容の場合、すぐに電話するか、軽い打合せのアポイントメントをとる

打合せ時に共有した資料を「後で送っておきます」と伝えた場合、打合せ終了直後すぐに送る
(そうしないと、後からタスクを思い出す必要が出る)

 

問題に向き合う。逃げない

 
メールは答えやすい問合せや依頼ばかりでなく、読むと憂鬱になるような重たい相談や難易度の高い依頼が来ることもあります。

仕事ができる人 はそのような時でも放置せず、すぐに何らかの対応をとります。

 

例1:複数名の宛先がある状態で、社長から「●●の問題について考えるように」とメールが来た

宛先の中には「黙って貝になる人」がいますが、優秀な人は

「自分は〇〇を調べるので、Aさんは□□を確認しておいてもらえますか」

このように自ら率先して問題解決に向けてすぐに判断や次のアクションを取ります。

 

例2:他部署から部下に対してクレームのメールが上司である自分をCCに入れた状態で届いた

上司の自分にも責任があると判断したら、自分がCCだからといって傍観せず、すぐに返信するなり何らかの対応を取ります。

 

例3:自分はCCで入っている他者同士のメールが的を外していて解決に至らない

そのまま放置すると全く問題が解決されそうにない場合、自ら第三者コメントを入れるなどをして解決しやすいよう導きます。

 

相手に配慮した対応ができる

Ÿ社長や上司からの依頼メールにすぐ返信するのは当然として、部下からのメールにも基本的には同等のスピードで返信する

自分より上の人か下の人かによって対応を変える上司には部下がついてこないことを分かっている

 

Ÿ取引先からのメールにもスピーディーに丁寧に対応し、決してぞんざいな対応をとったりしない

取引先も自社も共存共栄の関係であることをわかっており、取引先の担当者に気持ちよく仕事してもらうよう心掛けている

 

相手が何らかの事情で返信を早く欲しいと思っている場合、通常以上のスピードで返信を返す

「情けは人のためならず」であることが分かっている 

 

常にメールのレスポンスが速い人は、「仕事の在庫をためない」、「問題に向き合う。逃げない」、「相手に配慮した対応ができる」以上3つの特徴が習慣的にできている人だと言えます。

 

メールレスポンスが遅い人の克服ポイント

メールレスポンスが遅い人の問題は、仕事が遅いことではなく、仕事の姿勢・マインドに起因していることが多いです。

スキルの問題ではないので、急に直そうと思ってもなかなか簡単にはいきません。

重要なのは自分への戒めや、自分に課すルールの設定です。
 

ベテラン社員になり上の立場になるほどメールも処理しなければならない問題も増えますが、それだけに次のような心がけ、戒めが求められます。

 

スピード意識の改善

メールはすぐに返信するという自分ルールを厳守する

「返信が必要なメール」という在庫を抱えない、後回しにしないという自己規律を持つ

1日の業務終了時に、受信トレイの中を空にすることを習慣にする

 

仕事の結果にこだわる

分からないことは放置せず、積極的に解決策を探す

困難な問題を、放置や先送りせず、率先して解決に取り組む

 

他人が気持ちよく仕事できるようにする

誰に対しても、基本的には同じ速さでレスポンスする

 

レスポンスは、早さは早さを呼び、遅さは遅さを呼ぶ

あなたも経験したことがあると思いますが、メールのレスポンスには興味深い法則があります。
 

相手からの返信が来るまでに3日程度かかると、自分からの返信も無意識に3日後くらいでいいかなという気持ちになります。

やがて、その人とは3日おきのやり取りが定番化します。
 

逆にレスポンスの早い人のメールには、早く返事をしなければという気持ちになります。

リズムの良いキャッチボールのようにやり取りがポンポン進んでいきます。
 

つまり、同じメールのやり取りでも、一方はインターネットのスピード、他方は手紙投函くらいのスピードが混在しています。

早いレス同士はどんどん早くなっていき、遅いレス同士はどんどん遅くなっていく法則です。
 

この法則を理解し、遅いレス同士のグループに自分が入ってしまわないよう注意が必要です。

 

まとめ

 

私自身、メールのレスポンスはできるだけ早くしようと心がけているものの、ついつい返信を後回しにしたい気持ちが芽生えたり、忙しい時などは一言返せばよいメールでも後回しになることがあります。

ただし、一日の仕事を終えるタイミングで未対応メールを処理してから帰宅するルールを決めることで、返信忘れや過度に遅れることを防いでいます。
 

やり方は色々あると思いますが、クイックレスポンスは一度習慣がなくなってしまうと取り戻すことはなかなか難しいです。

しかも、ベテラン社員に対して、今更メールのお作法など注意してくれる人はいません。

部下たちから「〇〇さんっていつも返信くれないよね」とヒソヒソ言われるのが関の山です。
 

ベテラン社員や管理職がメールの迅速な対応を心がけることは、自身の信頼性を保つだけでなく、若手にとっても良い模範になります。

管理職やベテランほど、メールの返信速度を再点検し、クイックレスポンスや配慮のある対応を心がけたいものです。

 

 

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筆者紹介

株式会社SUSUME 代表取締役

竹居淳一

「人と組織が強みと言える会社づくり」を支援しています。人事の領域は年々複雑化、高度化していますが、中小企業で実践可能な視点から人材育成や組織づくりのコツを発信しています。 採用、育成、定着化、評価、組織開発、労務などの一連の領域を分断することなく、全体最適の解決策と実行が強みです。

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